セコい!? デンゼル・ワシントン、不動産購入に自分の名を使って値引き交渉
『マルコムX』(1992)、『サブウェイ123 激突』(2009)など数多くの名作映画に主演し、『トレーニング デイ』(01)でアメリカ黒人史上2人目となるアカデミー主演男優賞を獲得したデンゼル・ワシントン。今年還暦を迎えるが、その人気は衰えることを知らない。昨年大手経済誌「フォーブス」が発表した「2012年6月からの1年間で最も稼いだ俳優ランキング」では、3,300万ドル(約33億円)で堂々の9位にランクイン。どんな役でもこなせる実力派トップスターとしてハリウッドに君臨し続けている。
世界的大スターのデンゼルだが、プライベートを重視するセレブであり、私生活を極力公にしないことで知られる。ほかのスターたちと違って私生活が見えてこないため、死亡デマが流れることもあるほど。厳格で教育熱心だった母親の影響を受け、我が子だけでなく全米の恵まれない子どもたちを助けようとチャリティー団体に大金を寄付し、セレブとしての知名度を慈善活動で活用している。このように人格者として語られることが多いデンゼルだが、マンハッタンの超高級コンドミニアムを購入する際、自分の名前を利用して値引きしてもらうという、なんともセコい交渉をしていたことが明らかになった。
米ゴシップ芸能サイト「RadarOnline」によると、06年にデンゼルがフィフティーン・セントラルパーク・ウェストの超高級コンドミニアムを購入した際、彼の不動産エージェントが「提示された金額は払えない」と値引き交渉をしてきたことが、今月11日に発売された『House of Outrageous Fortune』というノンフィクション本で暴露された。交渉の結果、デンゼルが同物件の所有者になったことを発表する代わりに、1,300万ドル(約13億円)で合意したという。
この物件は、多くのセレブが住んでいることで知られている。歌手のスティングは2,650万ドル(約25億円)の物件を所有。薬物騒動の渦中にある大リーグ「ニューヨーク・ヤンキース」のアレックス・ロドリゲス選手もこのコンドに住み、キャメロン・ディアスや高級エスコートガールを招き入れていたとウワサされたことがあった。ロシア人大富豪ドミトリー・リボロフレフや台湾人の億万長者・高民環ら世界各国の大金持ちも住んでいる。
デンゼルはビバリーヒルズに豪邸を持っているが、ブロードウェイ近くであることに魅力を感じ、この物件の中でも小さめの物件に興味を示したとのこと。暴露本を執筆したマイケル・グロスは、ノンフィクションライターとして米大手新聞「ニューヨーク・タイムズ」や大手男性誌「エスクァイア」「GQ」など数多くの有名誌に寄稿する人気ライターであり、不動産事情にも精通している。今回も信頼できる消息筋から、デンゼルが「自分が所有者だと公にすることにより、コンドミニアム住民たちのプライドを満たし、マンションのステイタスを上げ、なおかつ大きな宣伝効果をもたらす」ことで物件の購入額をディスカウントしてもらったという情報を得たとのことだ。
「工場で働いたり、ゴミ収集したり、郵便局で働いたこともある。そんな大昔の話じゃない。だから自分はごく普通の男なんだって思いたいね」と発言したことがあるデンゼルだが、俳優として大成功を収めた今では資産140億円ともいわれる正真正銘のセレブ。セレブが、宣伝効果を狙うブランド店から無料で「プライベートで、ぜひ使ってください」と商品を提供されることはよくある話だが、デンゼルほどハイレベルのセレブが年収の3分の1程度の物件であるにもかかわらず値引き交渉したとは、人間くさく庶民的。ネット上では、「セコいことはセコいが、親近感が持てる」「別にいいじゃないか」と好意的に受け止められている。
白人主流のハリウッドにおいて、誰にも媚びることなく実力でキャリアを積み上げてきたデンゼルは、もともと好感度が高いセレブ。昨年も英新聞大手「ガーディアン」の取材に対して、「この業界には長いこといるけど、役者の友人はいないんだ」「別に映画スターの友達なんてほしくないしね。俳優業を始めた頃、アフリカ系アメリカ人である自分には友達なんかできなかったしね。白人の役者と友達になったことなんてないね」と赤裸々に告白し、「さすが白人女優とのキスシーンはやらないと断言しているデンゼル!」と大反響を呼んだ。
ブロンド美女と浮気し、30年連れ添ってきた妻と離婚寸前とゴシップされた時も大騒ぎすることなく、「妻に従うことが夫婦円満の秘訣かな」と、さらりとかわす余裕を見せた。今回の超高級コンドミニアム値切り報道について、どのようなコメントをするのかぜひ注目したい。