過熱する“羽生”萌え――羽生結弦のBL・妄想小説が盛り上がるワケ
ソチオリンピックで、見事金メダルを獲得したフィギュアスケートの羽生結弦。その演技もさることながら、中性的な顔立ちと表情や仕草のかわいらしさから、日本のみならず中国でもBLファンから絶大な支持を集めている。また、『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京)の碇シンジに似ていると話題になり、プラグスーツを着せたコラージュ画像が作られたり、「二次元から出て来たみたい」といった声もあちこちで上がっている。そのあまりの人気ぶりに、中国の羽生ファンコミュニティでは純粋に応援したいファンが「BL的な内容は厳禁、カップリングも禁止」という禁止令を出すほど。それほどまでに女子を惹きつけるのはなぜなのだろうか。
まず、最近話題になっているのは、羽生の高橋大輔と妄想小説。高橋が羽生に片思いしているという設定のものや高橋が酔った勢いで羽生を襲ってしまうもの、体調のすぐれない羽生を見舞いつつ……といったものまでさまざま。実際、テレビなどでも2人の仲良さそうなツーショットは多く、『ジャパンスーパーチャレンジ2013』では、チームブルーの勝利が決まった時に羽生が高橋に顔をすり寄せたりもしている。こういったスキンシップを普通にとれてしまう小悪魔的なところが、BLに登場するキャラクターたちと重なる部分があるようだ。「週刊朝日」(朝日新聞出版)にも、「美少年タイプの羽生選手とセクシーでワイルドな高橋大輔選手が仲良さそうにしているのを見ると、妄想がふくらんじゃいます」(BL歴10年の会社員)というコメントが載っており、タイプの違うイケメンが2人揃うとどうしても反応してしまうものだ。それに、単純に日本人同士で絡みも多いので、妄想しやすいというのもポイントなのかもしれない。
また、羽生とはライバルであり、兄弟弟子でもあるスペインのハビエル・フェルナンデスともカップリングされているよう。2012年の『フィンランディア杯』で、表彰台から降りる羽生の腰に手を当て、さりげなく支えている画像や、休憩中に羽生のスマホを横からのぞき込む姿などがネットで話題になっている。お互いにリスペクトして高め合っている2人の関係性や、練習中や休憩中など、無邪気にじゃれあっている姿、ハビエルの羽生を見つめる優しげなまなざし。そのどれもが、妄想を掻き立てるのだろう。
さらに、羽生のひらひらキラキラの衣装も重要だ。その衣装を担当しているのは、アメリカの元フィギュア選手ジョニー・ウィアー。彼もまた、妄想を刺激する人物だ。彼は、「衣装をデザインするのは男子ではユヅルだけ。女子やヘアのデザインの依頼ならいいけど、ぼくはとても忠誠心が強いので、男子はユズルが最初だったから、彼が引退するまで彼以外の衣装はデザインしない」という発言を残していることから、その蜜な関係性に興味を持つ女子が多いのだろう。ジョニーは、自伝である『Welcome to My World』では、同性愛者だとカミングアウトし同性結婚もしているので、思わず深読みしてしまうのかもしれない。
ほかにも、羽生の憧れの選手でもあるプルシェンコが彼の新コーチになる可能性を匂わせたことも話題になり、現コーチであるオーサーもゲイだとカミングアウト済なので、この3人をめぐる関係にも「三角関係か!?」と注目が集まっているそうだ。
しかし、妄想をかき立てる最大の要因は、なんといっても、その仕草やおちゃめな言動といった羽生自身の“女子力”の高さ。一部では「もしかして羽生くん、ほんとにオネエなんじゃないの?」という疑惑までささやかれているが、いずれにしても、これからもその魅力でみんなの妄想力をかき立ててほしい。