TOKIO・長瀬智也の大きなリアクションに宿る、“動物的キュートさ”の魅力とは
今回ツッコませていただくのは、2月19日に放送された『ザ少年倶楽部プレミアム』(NHK BSプレミアム)の「国分太一卒業スペシャル第一弾」。今回、8年間MCを務めてきた国分の代わりに「司会」としてやってきたのは、TOKIO・長瀬智也。第1回放送ゲストの嵐・相葉雅紀からダイジェストで紹介されていくが……。
驚いたのは、小窓の長瀬の顔である。V6・坂本昌行(当時37歳)が登場した回(2007年1月21日放送)、「一度事務所を辞めて就職したこと」などが語られる間、目を細めて聞いていた長瀬が、次の瞬間、目を大きく見開いた。
「(就職して)ある時電車に乗って、パッと見たら、KinKiが座ってたんです」
「!?」「お~!」「お!!??」と前のめりになり、口を半開きにして聞き入っている。
「2人はお仕事の帰りで、その時マネージャーもいて。『何してるんですか』って聞かれて、オレ答えられなかったの。あまりに悔しくて、恥ずかしくて」
そこから「スポットライトを浴びたいという自分の気持ちに気づき、戻ってきた」話がされるが、小窓の長瀬は「すげえ話だね!!」「なるほど~~~」としみじみ感心している。でも……視聴者はおそらくテレビの前で一斉に突っ込んだだろう。
「今かよ!?」
だって、坂本のこの話は、すでに何度もされていて、ジャニーズ検定があったとしたら初級レベルくらいの有名な話だから。長瀬さん、まさか本当に今初めて知った? さらに長瀬が大興奮となるのは、国分太一の一番のお気に入り回、KAT-TUN・上田竜也のトーク(08年10月19日放送)だ。
「個性っていっても何かわからないから、作るしかないなと。で、妖精が見えるキャラだとか」(上田)
小窓の中の長瀬はまたしても目を見開き、前のめりになり、「キャラだったの!?」と叫ぶ。長瀬さん、ホントにもう……今かよ!? この話も、この番組内だけでも何度もされている超有名な話なんだけど……。まるでしばらく海外暮らしをしていた人が久しぶりに日本に帰ってきたかのような驚き&大きなリアクションをする長瀬。
そして、TOKIO・松岡昌宏が出た回には、「お~~! 来た~~!」と大声をあげ、足を踏み鳴らし、うれしそうな様子を見せたり、良い話にはしんみり聞き入ったりしている。まるで動物か赤ちゃんのような素直さだ。それでいて、事務所歴で先輩の国分には、同じグループで長い付き合いにもかかわらず、終始敬語を崩さない礼儀正しさもあるから、感心してしまう。
ところで、そんな長瀬が珍しく何のリアクションもしなかったのは、NEWS・加藤シゲアキの「中学受験で青山学院に受かって」「(僕は)エリートだったから」といった一連の自慢話。本当にウソをつけない人なんだ。ちなみに、一部を除き、どんな話にも感心したり驚いたり、大きなリアクションで楽しんでいた長瀬が、番組後半になるにつれて口数がどんどん減っていく。おそらく同じメンツが再び出てくる後半は、刺激もなくなり、長くて飽きてきたのか、眠くなってきたのか、あるいは一度に受容できる情報量がオーバーになってしまったのだろう。
もしかして、こんな感じで、これまでに坂本の「就職からの復帰」話や、上田の「妖精が見えるキャラ」話も長瀬は聞いたことがあったんじゃないだろうか。でも、いっぺんにたくさんの話を聞いたことで、情報量が多くて、忘れちゃったんじゃないだろうか。そんなことすら妄想させる、動物的キュートさ抜群の長瀬智也。
司会ができる気はあまりしないが、国分さんの次の司会者がもし長瀬だったら……ものすごく楽しい番組になりそうでうれしいのだが。
(田幸和歌子)