読者の本音がついに届いた!? 一大ムーブメント“卵活祭”の神輿を置いた「DRESS」
せっかくのスペシャルページなんだから、元夫とどんな話し合いをして、どう離婚に至ったのか、もっと具体的に知りたかったし、コラムで多少なりとも嘘をついていたこと(別居したとは書いてなかった)について、どう思っていたのかを知りたかった。親に逆らって結婚して、結局失敗してしまったことに本人はどう思っているのかについても、きっといろいろと感じていることがあるはずなのに……。「やっぱり親の言うことは正しかった」と思っているのか、「これからも試行錯誤しながら生きていく」と思っているのか。親との確執を持つアラフォー女性が気になるところに手が届いていないんです。まあ、離婚直後でそんなことをしゃあしゃあ述べられるほど無神経な人でもないのかもしれませんが。
そもそもインタビューは、第三者が話を聞いて書くため、かなり内容が平均化されることもあって、全体的に大人しくまとまってしまった今回のスペシャルページ。足りなかった“生々しさ”は、来月以降に期待しましょう。あれ、続けるのかな、この連載……。
■卵活ブームの片棒担いでたよね?
さて今回は、卵活ブームに「ちょっと待った」を唱える企画「アラフォー妊娠は、傷つかず、焦らず。」もありました。
メディアでは大ブームの「卵子凍結」などの卵活ですが、実際やってる女性ってどれくらいいるんでしょう。10万円単位でお金がかかることのようなので、そうとう真剣に子どもが欲しいと考えているリッチな人以外、踏み込む人はあまりいないんじゃないかと思いますが……。「たばこを1本吸うと5分寿命が短くなる」という説で禁煙する人がほとんどいないように、不確定な未来のために準備しようという人は、なかなかいないのでは。
そんなメディアがあおる卵活ブームに、「DRESS」は警鐘を鳴らしています。「まあ、落ち着け! 卵活もいいけど、病気の予防や産んだ後の環境作りなど、ほかにもやることあるはずでしょ」という内容で、これにはアラフォーの筆者も納得。しかし、真っ先にこの企画をやっていたら、「さすが『DRESS』、かっこいいぜ!」と思ったでしょうが、毎月卵活特集組んで、「子どもはいいぜ産もうぜ」と煽っていた「DRESS」にいわれても……! サブタイトルになっている「卵子老化に振り回されすぎ!」を見て、「いや、片棒担いでブンブン振り回してたよね?」とツッコまずにはいられません。
「DRESS」の読者層である働くアラフォー女性ならば、情報は与えられるものではなく、自ら取りにいくものと認識していると思います。与えられた情報だけで物事を判断するのではなく、自力で収集した膨大な情報の中から、取捨選択することを身を持ってやってきたのではないでしょうか。だからこそ、「DRESS」には、ブームに乗っかったような“卵活祭”には参加してほしくない。これからも、女性向けの情報で、また何かブームがやってくるでしょう。その時こそ、視野を広く持った冷静な特集を組んでほしいものです。
(増井涼子)