彼氏いない歴、平均6年9カ月! 読者の恋愛離れを受け止めきれない「日経ウーマン」の罪
「こじらせ女子」という流行語を生んだ雨宮まみさんは「30代以降の恋愛は、結婚や出産とセットで考えることが多い。出産年齢や世間の目など無言のプレッシャーにさらされ、独身女性の心は疲れている。恋愛は浮かれた気持ちで始まるものなのに、現実を突きつけられて頭でっかちになり、動けなくなっている気がします。」と述べています。確かに、アラサーの筆者の周りでも、「恋愛→結婚→出産」という流れを具体的に思い描いている人ほど、恋愛初期段階で結婚相手としての資質を見極めようとして、異性との付き合いに慎重になっている印象があります。
しかし、読者アンケートでわかった、現在恋愛中ではない人の「彼氏がいない期間」が「平均6年9カ月」という事実には、頭でっかちすぎではと不安になります。6年あったら小学生が高校生になりますからね。ただ、その中には「一度も男性と付き合ったことがない」「好きという感情が分からない」という女性も少なくないようなのです。
そんな読者の参考になりそうだと感じたのが、「恋愛できない自分を変えた2人のリアル・ヒストリー」という企画なんですが……読んでびっくり、全然参考になりそうにない! 登場する「恋愛できない」読者代表の2人が、いずれも彼氏いない期間たったの1~2年。しかも、
・俺様タイプの彼に失恋→仕事に没頭→しあわせな恋愛をして結婚した友人を見て、そんな恋愛をしたいなと思う→同窓会で彼氏ゲット
・彼氏とすれ違いで別れる→合コン三昧→フェイスブックで友人男性にメッセージを送り、1年の付き合いを経て、ゴールイン!
という、ただ2人の惚気話を聞かされるだけの内容なのです。そこに「恋愛できない自分」とことさらに言いつのるほどのトラウマや葛藤や苦労は一切見つけられませんでしたね。
金勘定と時間短縮にかけては超絶リアリストなのに、相変わらず恋愛ネタになるとテーマばっかり壮大で、フワッとしたサクセスストーリーに落とし込んでくる「日経ウーマン」。恋愛にのめりこんで溺れてしまう人もいれば、人並みに恋愛できずに苦しむ人もいます。疲労回復特集で「悩みをまるっと解決!」とか言っていないで、もっと読者のすさんだ心に寄り添ってあげて! と思った今月号でした。
(早乙女ぐりこ)