7WEST・神山智洋の高スキルな才能に募る、余計なお世話な感情
『ジャニーズカウントダウンコンサート』の生中継中、2014年が明けると共に電撃発表された「ジャニーズWEST」のデビュー。メンバーは重岡大穀、小瀧望、桐山照史、中間淳太の4人。新しいジャニーズグループのデビューが発表される際には、Hey!Say!JUMPの時のYa-Ya-Yah、Sexy Zoneの時のB.I.Shadowのように、Jr.内の人気グループが解体することがあり、悲喜こもごもがどうしてもつきまとう。
おそらく重岡、小瀧が属していた「7WEST」は解体されることになりそうだが、そこにいたもう2人のメンバーである神山智洋と藤井流星は、どうしても「残された方」的な見方になってしまう。そんな中、1月25日にBSフジで放送された、Kin Kanとなにわ皇子の番組『まいど!ジャーニィ~』に、トークゲストとして神山が出演した。
番組を見ていても、この収録時期がジャニーズWESTのデビュー発表より前なのか後なのか、後輩たちがどんな感じに接するのだろうかとか、大きなお世話なことばかり気になってしまう。また、番組内での紹介は「7WESTの神山智洋くん」ではなく、無印の「神山智洋くん」だった(元々グループ名を付けて紹介しない番組かもしれないが)。
その神山くんは、邪念まみれの目で見るのが申し訳ないほど“いい先輩”だった。冒頭のナレーションで、「のびのある歌声、キレのあるアクロバットなど、すべてにおいてジャニーズJr.トップクラスの実力を持つ、『まいジャニ』メンバーの頼れる先輩です」と紹介された神山。“キレのあるアクロバット”を見てみたいという流れになり、「関西Jr.の中ではたぶん僕しかできない技」と、「フォーリア」というスゴい宙返りを披露。しかし。ステーン! ベター! ボケたのか、それともマジ失敗なのか? そして2回目にキッチリ成功、確かにスゴい技に見えた。しかも、「これ1日でできた!」というからさすがの身体能力だ。
これだけアクロバットスキルがあり、「しっかり者で面倒見が良く 関西ジャニーズJr.の『オカン』的存在」で、ファッションレベルも極めて高く、そして、やたらハイクオリティのものまねも連発できる神山。「『ちびまる子ちゃん』にいたっては、10人ぐらいできるから」と、1人で『まる子』の世界が完成できるそうだ。なんでもできるんだな、神山さん。後輩たちのトークも、「オカン」だけありずっと笑顔で聞いていて性格もよさそう。後輩にも優しく信頼も厚いのに、なぜジャニーズWESTではなかったのだろうか。そんな心配は大きなお世話だろうが、そんな気持ちが膨らんでしまう。
しかし、そのスキルの高さゆえに、“舞台班”の主力になったり、バックダンサーのエキスパート的な存在になるJr.もある。一方で、入所間もなくスキルも足りないのにデビューグループのメンバーに抜擢されることもある。結局、活躍の場がどう割り当てられるのかはジャニーさんのさじ加減でしかないようで、その悲劇性を含めた理不尽さもまた、ジャニーズ物語の厚みにもなっている。目が離せなくなる物語というか。
今回、「後輩の番組に出るのは初めてやから」と言っていた神山さん。後輩たちの頑張る姿を見て、「うれしい気持ちになった。安心した感じがする」と温かい感想を言い、「さすが『オカン』!」と後輩たちもうれしそうだ。その一連の流れは、大変失礼な言い方ではあるが「気さくな浪人中の先輩」みたいにも見えた。何度も余計なお世話だが、これがデビュー組の後輩の番組だったら、今のタイミングは複雑この上なかったかもしれない。
神山はこの先、オカンとして関西Jr.を引っ張っていく存在になっていき、次は“サクラサク”のだろうか。その時は、この『まいジャニ』メンバーが選抜され、神山はその兄的なポジションで同じグループになっていたりするかもしれない。そしてまた、新たな悲喜こもごもが生まれるのだろう。
(太田サトル)