コラム
[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

四十女の“愛されキャラ”小細工の破壊力に考える、四十女の正しい靴選び

2014/02/02 21:00
(C)安彦麻理絵

 ミポリン主演の映画『新しい靴を買わなくちゃ』。これを見たという大久保ニュー姐さん、電話の向こうで激しく悶絶している。「……もう!! ……ホントに『もう!!』って感じなの!!!!」。点数をつけるとすれば、ストーリー5点、ホラー度120点、との事である。一体何がホラーで、100点すっ飛び抜けたのかと思ったら、案の定。ホラーの火種は、美穂の「四十(しじゅう)過ぎた女のドヤ芝居」だった。「なんかね!! いちいち細かいとこで『あたし、まだまだイケてる☆』みたいな芝居すんのよ!! 階段降りるシーンとかでも、最後の一段を『ぴょん』とかさ!!」……四十過ぎた女の「ぴょん」……まるで豪快な握りっ屁を、無理矢理顔面に押し付けられたかのような苦渋である。そんな果てしない、ネバーエンディング状態の「連続握りっ屁」に、ニュー姐は大体5分おきくらいに映像をストップしながら、最後まで根性で見続けたという。

 「自分が若かった頃のメイクをそのまましてる人がいるけれど、あれはNG」という話はよく聞くが、それは化粧法だけではなく、しゃべり方や仕草にも言える事である。20代の頃に男にウケてた「愛されキャラっぷり」を四十すぎてもやらかしてたら、それは確かに相当「ホラー」。はっきり言って「気持ち悪い」わけである。「トシをとってもカワイイ女でいたい」という女心は痛いほどよくわかる。私だってそう思う、しかし。……中年女に小細工は通用しない。四十過ぎた女の「アヒル口」が一体どの程度の破壊力を持つか……ちょっと妄想してみれば「相当なシロモノ」である事は、誰の目にも明らかである。もう若くない女の「小細工の重ね塗り」は、悲しいかな、正視できないものがあるのだ。

 とはいえ、「裸一貫で勝負」できる程の自信なんてありゃしないのが普通である。小細工なしで(というか小細工したとしても見破られる事なく)「トシをとっても可愛げがある女」なんて、相当レベルの高い女だ。しかし、そこを目指さなければ間違いなく、ホラー度120点の女になってしまう。頭の中がお花畑状態で「あたしもミポリンみたいな大人可愛い女子になりたい☆」とか言ってるのはかなり危険。こういう女は一度、『ガラスの仮面』の月影千草に指差しで(しかもクワっと白眼で)「見苦しいのよ!!」と、激しく一喝されなければ目が覚めないのかもしれない。

 さて。『新しい靴を買わなくちゃ』と言ってるのはミポリンだけではなく、実は私も……というか、新しい靴、買ったはいいのだが(梨花の真似をしてニューバランスのネイビーのスニーカーを購入)、しかしそれがまったく足に合わず、「新しい靴を買い直さなくちゃ」に、なってしまったのである。とにかく、右足親指の内側部分がやたらと痛い。どうしたものかと思っていたら夫に「それ、外反母趾だよ」と指摘されて、激しくショックを受けた。

「外反母趾って、昔、小柳ルミ子が手術してたアレでしょ!!??」

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