メアリー・J.ブライジ、DV男だった父親が刺され危篤でもノーコメント
R&Bの女王、メアリー・J.ブライジ(43)の父親が、元交際相手にメッタ刺しにされ重体になっていると報じられている。米「ABCニュース」によると、メアリーの父親トーマス・ブライジ(63)は23日午前7時ごろ、自宅アパートの外で刺されたとのこと。911通報したトーマスのルームメイトは、「車のタイヤの空気が抜ける音を聞いて、トーマスが外に飛び出したんだ。戻ってきたと思ったら大きな声で叫んだので何事かと思ったら、台所で大量に血を流しながら倒れていて……」と言い、特に首からおびただしく出血していたと証言。ルームメイトが止血を試みたおかげで、警察官が到着したとき、トーマスはまだ意識があり、以前交際していたシェリル・ホワイト(50)に刺されたと、はっきりした口調で伝えたという。
米ニュースサイト「デトロイト・フリー・プレス」は、トーマスが緊急搬送された病院で、手術中に2度も心拍停止したと報道。腕と胴体、そして首を繰り返しナイフで刺され、首の傷が特にひどく、現在も予断を許さない状態が続いていると伝えている。犯人のシェリルは、トーマスの愛車であるSUVのタイヤに穴を開けていたところを見つかり、逆上して彼をめった刺しにしたとみられており、事件後はそのまま帰宅。警察官が彼女の家を訪れたときは、まだ返り血のついたシャツを着ており、抵抗することなく逮捕されたという。
シェリルの弁護士によると、トーマスとシェリルは5年間ほど交際し同棲していた時期もあったが、昨年破局。8月以降、7回ものDV通報が出されていたとのことで、10月にはシェリルがトーマスをガラス製のキャンドルホルダーで殴ったとして逮捕され、今月10日に6カ月間の保護観察期間に処されたばかりだった。この時、シェリルは「トーマスに対して攻撃的な接し方をしないこと」も命じられていたが、トーマス自身は身の危険を感じていたようで、警察に保護してほしいと申請していたと伝えられている。
痛ましい事件だが、メアリーはまだコメントを出していない。疎遠になっていたということもあるが、彼女はトーマスに対して、とても複雑な気持ちを抱いているからである。
メアリーは看護師をしていた母コラとジャズ・ミュージシャンだった父トーマスとの間に生まれた。ベトナム戦争の帰還兵でもあったトーマスは、重度の心的外傷後ストレス障害を患っており、日常的にコラを暴行。メアリーに歌を教えるという子煩悩な面も持っていたが、メアリーが4歳の時に家族を捨てた。メアリーいわく、「家を出て行ったくせに、ちょこちょこ戻ってきては母に暴力を振るっていた」そうで、コラはDV男のトーマスから逃れるため、娘2人を連れて巨大公営住宅団地に引っ越した。
コラは自分の姉妹家族が住んでいるから安心だと思ったのだろうが、低所得者向けの団地だったため、治安は最悪。メアリーは、「男性に暴行され、叫び声を上げながら逃げまくる女性の声がよく聞こえてきたわ。あそこに住んでいる女性でDVされていない人なんて一人もいなかった」と回想しているように、日常的にDVを見ながら育った。シングルマザーだったコラは、仕事をしている間、信頼できると思った団地の住民に娘たちを預けていたが、彼らはわずか5歳だったメアリーに性的ないたずらをし、力の弱い彼女を繰り返し性的暴行した。