『ごくせん』の“神演技”は何だったのか!? Hey!Say!JUMP・高木雄也が大変化
今回ツッコませていただくのは、フジテレビ系スペシャルドラマ『HAMU-公安警察の男-』(1月10日放送)と、『Dr.DMAT』(TBS系、1月9日より放送開始)で見られたHey!Say!JUMP・高木雄也の「変化」。
高木といえば、かつてネット上で「神」と呼ばれたアイドルである。なぜ「神」かというと、『ごくせん(第3シリーズ)』(日本テレビ系、2008年)において、「神がかった棒演技」などと非常に話題になったからだ。そんな彼が、しばらく演技の仕事を離れ、テレビドラマに復活したのは、深夜のジャニドラ枠『私立バカレア高校』(同、12年)。その時点で、「あれ? 演技がうまくなっている……」とジャニーズファンの間では驚かれていた。ただし、「2年留年している、ちょっとおバカで、女の子が大好きで、仲間思いの優しいヤツ」という役どころが、本人の素顔にも近い部分があるため、ピタリとハマっていたということはあるのだろう。
そして、今回の作品といえば、『HAMU』は、滝沢秀明が主演で、警視庁公安部特殊班とテロリストの対決を描くサスペンス&社会派警察ドラマ。高木が演じたのは、「IT関連に精通しており、情報処理、分析能力に優れた刑事」役だ。また、『Dr.DMAT』の方は、主人公の内科医・八雲響(大倉忠義)と共に災害地で行動する東京消防庁ハイパーレスキュー隊員役。一方は「クールな頭脳明晰」キャラ、もう一方は「経験が浅く、空回り気味」キャラで、同時期に “体温”が大きく異なる2つの役柄を演じるだけに、その演技力が気になるところだったが……。
驚いたのは、画面をしっかり見ず声を聞いているだけでも、演技が格段とうまくなっていることがわかったこと。一部では、アナウンス講座に通ったなどのウワサもささやかれているが、その真偽はどうあれ、滑舌が確実に良くなっている。そして、「神」と言われた時代には、セリフがモゴモゴしていて聞き取りづらかったのに、今は低く深い声の良さが、魅力の1つになっている。
また、メガネ+シャツ・カーディガン姿の「ITに強い刑事」は、立派に頭脳派に見えたし、ハイパーレスキュー隊員の方は、冒頭で少し登場しただけでも、熱い目と若さが際立っていた。
今になって思えば、『ごくせん』のアレは一体何だったのか、不思議に思えるほどである。Hey!Say!JUMPデビュー当時は、山田涼介とともにダブルセンターを務めていたこともあった高木雄也。それが、『ごくせん』の「神演技」によってケチがついたことで、ドラマなどの仕事から遠ざかり、グループにおいても脇に回る形になっていた。
だが、低音ボイスの歌声には元々ファンが多いし、「チャラく見えて、実は子どもっぽく、優しい素顔」は、メンバーにもファンにも愛されている。また、浅黒い肌と薄めの顔、長身のスタイルは、ジャニーズだと知らなければ、戦隊かライダー出身俳優のようにも見えなくもないだけに、新たなファン層も獲得できるかもしれない。
ただし、数年間で確実に成長していた高木の演技力に、ファンからは喜びの声が上がっている一方で、一部のネットユーザーたちからは「さよなら、神」と嘆く声もあった。「神」を脱した高木の今後の活躍ぶりに大いに注目したい。
(田幸和歌子)