実母・親族を葬式に呼ばず! やしきたかじんさんがすべきだった「最期の配慮」
1月3日、歌手でタレントのやしきたかじんが都内の病院で逝去した。享年64。この訃報を受けて、ワイドショーなどでは多くの著名人が涙ながらに生前のたかじんとの交流や思い出を語っていた。たかじんは、大阪を中心に多くの人から愛された人物だったと心から思えた。しかし――水面下では美談だけでは済まない事態が勃発していたらしい。
それを報じたのは「自身」。記事によれば、大阪に住むたかじんの実母が息子の死を知ったのは、死亡から4日もたった1月7日だったという。関東に住むたかじんの長女(最初の妻との間の子ども)からの電話で、実母は息子の死を知ったが、この時すでに葬式も済ませて、荼毘に付された後だったという。よって実母は死に目にも会えず、遺体との最後の対面もできなかったのだ。また実母だけでなく、兄弟や親戚にも死亡を知らなかったらしい。
気が動転して何も話せないという実母に代わって、親戚の人間がその怒りを語っているのだが、なんだか昨年の藤圭子の自殺をめぐって、宇多田ヒカル&照實父娘と、藤の実兄との確執の再現のような事態でもある。
たかじんの最後を看取ったのは、昨年に再々婚した32歳の新妻と、前出の長女だったが、親戚の誰とも新妻は面識がなく、連絡先はおろか、名前まで知らないという。しかも実母とたかじんは日常的には疎遠だとはいえ、母の喜寿のお祝いを兄弟揃ってするなど、決して断絶や不仲だというわけではなかったようだ。であるならば、確かに実母からしてみれば、それはあまりに悲しい仕打ちである。
ただ実母や親戚だけでなく、たかじんの死亡を直後に知った人物は少ないらしい。涙を流してコメントしていた「生前たかじんと親しかった」著名人の多くも然りである。一部報道によれば、「葬儀は近親者のみで、正月の気分を壊さないためにも公表を控える」という生前のたかじんの強い遺志があったといわれ、そのために、ごく一部の関係者しか知らされず、また7日まで情報が漏れることがなかった。おそらく死亡情報が漏れることを恐れて、実母や親戚にまで伝えなかったのだろう。
っていわれても、実母や親戚にしてみれば、「それはないだろう!」となるのは目に見えている。もちろん不満の捌け口は新妻に向かう。
しかし新妻にも言い分はあると思う。普段付き合いもなかった親戚が、いろいろ口を出せば、故人が希望していた通りにはことが進まず、故人の希望する葬式にもならない可能性がある。偲ぶ気分が害される場合も考えられる。会ったこともない夫の親戚に、あーだこーだと言われるもの嫌だったのだろう。昨年結婚したばかりだから、遺産目当てだなんて陰口を叩かれかねない。それでも、年老いたお母さんに連絡しないのは、世間的には大きなマイナスとなる。