監督作の盗作を、盗作ツイートで謝罪? シャイア・ラブーフ、逆ギレ気味の引退宣言
個性の強さで知られるハリウッド俳優シャイア・ラブーフ。昨年末には、監督した作品が盗作であることが判明した。盗作したことを潔く認め、ロサンゼルスの大空に飛行機雲で謝罪の言葉を書いたのだが、「バカにしている」とさらなる批難を集め、シャイアは「引退」をほのめかしている。
シャイアは下積み時代の2007年にスティーヴン・スピルバーグに見初められ、ドリームワークス制作作品に立て続けに出演したことで知名度が上がり、高く評価されるように。主演した『トランスフォーマー』シリーズで世界的に大ブレイクし、A級スターの仲間入りを果たした。
27歳と若いが、己の芸術的才能に絶対的な自信を持っているシャイアは、作品のためなら全裸になることもいとわず、ロックバンド「シガー・ロス」のミュージック・ビデオ『フョーグル・ピアノ』では美女ダンサーと共に、素っ裸で摩訶不思議なエロティックな世界を展開。新作映画『Nymphomaniac』の撮影前に制作会社からペニスの写真を提出するよう要求されたことをにこやかに明かすなど、とてもオープンな役者としても知られている。
だが、その一方で、問題発言や行動を起こすアウトローな男として問題視されることも多く、12年8月に『トランスフォーマー』のような大作映画について「たくさんのギャラをくれるけど、撮影場ではケツに指をねじり入れられたまま5カ月間も追い掛け回されるんだぜ」と爆弾発言をし、大きな波紋を呼んだ。05年に近隣住民を脅迫したとして逮捕され、08年に左手の指を切断するほどの交通事故に巻き込まれた時も飲酒運転で逮捕されており、11年には行きつけのレストランバーでケンカし殴られるというトラブルに見舞われた上、警察に連行されている。酒が絡むトラブルを起こすことも多く、昨年10月にも新作映画『Fury』の撮影で滞在していたイギリスで飲んだ後、路上で気分が悪く苦しむ女性を見かけて執拗に撮影、止めようとした男の顔も撮影したために殴られ、12月にもレストランでケンカ騒ぎを起こしている。
このように才能はあるが、トラブルも多くハリウッドの問題児と評されているシャイア。そんな彼が12年に制作した短編映画『Howard Cantour.com』が昨年12月中旬に動画サイトに公開されたのだが、それを見たネットユーザーたちがコミック作家ダニエル・クロウズの『Justin M. Damiano』(07)と瓜二つだと驚き、大炎上。シャイアは動画サイトから作品を削除し、「作品を制作するのに夢中になってしまい、許可を取るのを忘れていた」として、「尊敬している」と公言しているダニエルに対して、「本当に申し訳ありません」とTwitterで謝罪。今年の元旦には、ロサンゼルスの空に飛行機雲で「ダニエル・クロウズさん、ごめんなさい」という言葉を書き、申し訳ないという気持ちを表現した。
しかし、スカイライター(空中に文字を書く人)を雇い飛行機雲で謝罪文を書いたことに、人気TVドラマ『ガールズ』の監督兼主演のレナ・ダナムが食いつき、4日、「反社会的な人だけがスカイライターを頼むもんよね」とTwitterでディスった。これにシャイアが反応し、「芸術的な表現とされるものについて、徹底的に討論することはかまわないけど、ツイートで怒りを買うことはしたくないんですよ。世間のみなさん、すんません」とツイート。続けて、「オレは人に頼る依存症を抱えてるんですよ。クソみたいな話だけと冗談じゃない。自分が何をやったのか言ったのか、覚えてないほどなんだ」とし、「スカイライターを雇った言い訳にはなりませんけどね」とつぶやいた。
レナに対するシャイアのツイートだが、最初の「芸術的な~」の文は、12年10月にレナが掲載したツイートの丸写しである。そして、「オレは人に頼る依存症~」という文は、ラッパーのグッチ・メインが昨年9月に掲載したツイートの丸パクリ。ネット上では、レナの言葉を丸返しするのはよいとして、グッチの言葉を勝手に使うのは盗作じゃないかと批難する声が殺到した。さすがのレナも自分の言葉を盗用されたことに気がつき、「ちょっ、アタシのツイートじゃん。参ったわ」とあきれ返り、「これって、とても独創的な何かの始まりかも」と皮肉っている。