カルチャー
愚かな少女信仰者に空虚な現実を見せつけた痛快作『ブリングリング』
2014/01/12 20:00
アメリカで実際に起こった連続窃盗事件を元にして作られたという、ソフィア・コッポラ監督最新作『ブリングリング』は、ロサンゼルス郊外に住む十代の女の子たちが、パリス・ヒルトンやリンジー・ローハンの豪邸に忍び込み、ブランド品や宝石を、バレない程度に盗んでは、嬉々としてそれを身につけて夜遊びを繰り返す、バカバカしい物語。
ソフィア・コッポラといえば、アカデミー賞監督を父親に持ち、兄も映画監督、親戚は俳優のニコラス・ケイジ。監督業をスタートさせる前はモデル・フォトグラファーとして活躍し、ファッションレーベル「MILKFED.」を立ち上げているソフィアは、デザイナーのマーク・ジェイコブスと超仲良しだからかルイ・ヴィトンからソフィアモデルのバッグが発売されているほどの超セレブだ。そんな彼女が、現代のセレブに憧れる十代の若者を描いた映画と聞けば、一体どんな皮肉に満ちているのかとにやにやしながら見てみたのだが、これがまったく退屈で凡庸な作品で、だから面白い。
最終更新:2014/01/12 20:00