カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「DRESS」2月号

各星座の著名人が鏡リュウジと対談……? 「DRESS」のモヤッとする占い大特集

2014/01/12 19:00

 冒頭でも述べた通り、占い好きの筆者は、占いページをよく読みます。読んでもすぐ忘れてしまいますが、自分にとっていいことがありそうな文章は、読んでいるだけで気持ちがいい。こういう「うっすらスピ系」女は結構多いのではないかと思います。「既読メールの返信が来ないのはなぜ?」といった、占いの項目を見るだけでも、世の中の女子たちの心のニーズが見えておもしろい。しかし、1つだけ「DRESS」には不要に思えた項目があります。それは「○○座のあなたの本当の性格」というものです。

 まだ自分を確立していない、自分探しなんかしちゃうお年頃なら、興味があるでしょう。しかし、いい加減2回目の成人式を迎えるような年齢になって、「自分はどんな人なのか」わからないものなのか? 自分の腹が立つポイントも、スルーできるポイントも、自分の長所も短所も、たいてい把握していると思うのです。黒谷さんも、対談中、自分で自分の性格の分析しているし、鏡リュウジの意見に「そうです」つまり「自分のことはすでにわかってます」と返事をしています。同意ばかりで、新鮮味のない占いだったら、やはりアラフォーには要らない情報では?

■読み応えのある占い特集って難しい!!

 また、このような「そうです」とか「わかります」といった、「会話には必要だけど情報としては別にいらない言葉」が対談の中に散見されると、結果的に中身がとても薄く思えてしまうのも残念なところ。それに、黒谷友香は嫌いじゃないけれど特に興味もないので、自分の星座のページを読んでいても、全然読み応えがありません。

 占い特集って、自分の星座以外や、自分に該当しない部分はたいてい読まないので、実際に読むページはかなり少ないもの。それをわかった上で、「DRESS」はよりボリュームを出そうと細かく区分けをしたりして、企画を凝ったのでしょうが、読者にとってはいらないページが増えただけというジレンマ。

 なのでここは変に凝った企画にせず、「2014年の運勢 各星座2ページの大特集」の方がよかったのでは。読み応えがあるかどうかは、全体的な分量の問題ではなく、自分がほしい情報がどれだけ詰まっているか。うっすらと「読んでもいいかな」というページがたくさんあっても、心に残る情報が少ないと満足度は低いんです。どうにも、いい食材を仕入れたのに、いらない味つけをして台無しになった手料理という感がムンムンします。せっかく紙版を買ったけど、うーん、2014年の占いはほとんどなかったし、そばに置いておきたい情報もなかったし、デジタルでよかったかな……と。

 このところ毎号ページを組まれていた「妊活・卵活企画」が今号はなかったことは、感慨深いです。占いやパワーアイテム・スポットといったドリームなネタは、“繁殖”という現実的なネタとはかみ合わないということでしょうか。

 今回の占い特集には恋愛占いに重きを置いていなかったようですが、占いのメジャー項目といえばやっぱり恋愛。そして恋愛成就の先にあるのは繁殖だったりするわけで……。うまく「占い」と「卵活」を組み合わせられたら、「いや、それ無茶ぶりでしょ」というものすごーくアホな企画になるか、「リアルとスピの融合、それは斬新だ!」という、ものすごーく衝撃的な企画になるか、とにかくひとつ突き抜けられてたかも。……残念!
(増井涼子)

最終更新:2014/01/12 19:00
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