カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「日経ウーマン」1月号

貯蓄狂の「日経ウーマン」が、風水アイテム「刃物」を勧める、異常すぎる理由

2014/01/03 16:00

 今回の特集内ページの片隅にあるイメージ写真は、「2014年の金運がアップする風水アイテム」で統一されており、スイーツ、刃物、歯磨きグッズ、鏡、コーヒー、財布、栗などが登場していました。14年に金を貯めようと思ったら、ちまちま節約するよりも、適当な喫茶店でモンブランとコーヒーを頼み、トイレで鏡見ながら歯を磨いた後に刃物振り回すといいかもしれませんね。

 ところで刃物は人との縁を「切る」から縁起が悪いというのは有名な話ですが、金運アップアイテムとしてあえて挙げられているのは、人との縁を切って交際費を浮かせることで金運アップを狙うという、「日経ウーマン」お得意の節約術の象徴なのでしょうか。

 もちろん今月号にも、「交際費の削りポイント10」というコーナーが用意されており、「2回に1回は誘いを断る」「二次会を断る口実を用意しておく」など、相変わらず人付き合いを減らして貯蓄を増やすことにご執心の様子です。大丈夫、こうやって交際費を節約していれば、自然と誰からも声かからなくなりますよ! きっと!

■ズッコケざるを得ない「年金受給額を増やすコツ」

 やたらと投資を推奨してくる「日経ウーマン」、今月も「年100万円」大特集に乗じて投資のページが設けられていました。元プロ棋士で、現在は株主優待で現金をほぼ使わない生活をしている桐谷広人さんを紹介しています。もともとはデイトレーニングで稼いでいたそうですが、バブル崩壊やリーマンショックで困窮し、紆余曲折を経て、さまざまな株主優待券で外出を楽しむ生活に一転したそうです。桐谷さんは「失敗があったから今がある!」とポジティブに自分の人生を受け止め、読者にも投資&株主優待生活を勧めてくるのですが、優待目当てで投資って目的と手段が逆転してますよね。「日経ウーマン」は、読者に貯蓄させたいのか、投資して経済を回させたいのか、そこの部分を詰めてほしいです。

 続く小特集「今、知っておくべき教養&ニュース30」では、「知らないとソンする『年金』の最新ニュース」と題して、公的年金制度の基本がわかりやすくまとめてありました。この中で筆者が衝撃を受けたのは、「老後に受け取れる年金の額を増やすには、会社員や公務員として、できるだけ高い収入で長く働くのがコツです」という一文。高収入の安定した職に就いていれば年金受給額が増えるなんて、そんなこと誰でも知っていますから! 簡単にそれができたら苦労しないですから! 自分ではどうにもできないことを、「パウンドケーキをふっくら美味しく仕上げるコツ☆」みたいなノリでサラッと言われても困ります。

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