『安堂ロイド』『天国の恋』ら、今年の名&迷ドラマ大反省会!
――2013年、ドラマ界は今世紀最高視聴率を記録した『半沢直樹』(TBS系)があった一方、大コケしたドラマも数々。気合が空振りした作品、期待してなかったのに盛り上がった作品など、今年のドラマ界をサイゾーウーマンが誇るテレビウォッチャー・太田サトル&田幸和歌子が振り返っていきます!
太田サトル(以下、太) じぇじぇじぇ! 倍返しだ!
田幸和歌子(以下、田) ……なに、流行語大賞!?
太 実際そうなんだけど、2013年のドラマといえば、この流行語が生まれた『あまちゃん』(NHK)と『半沢直樹』に尽きるよね。
田 どっちのドラマも登場人物が脇までキャラが立っていたから、いろんな人が「あの半沢の」とか「あまちゃんで大活躍」といった形でトーク番組なんかにひっぱりだこ。ヒットにあやかってる感じ、したね。
太 ものまねやパロディも、よく見た。ドラマを見てないのにものまねをやることになった芸人もいたりして、まさに社会現象。『半沢』の最高視聴率42.2%は、伊達じゃない
田 秋ドラマでヒットした、米倉涼子の『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)も、「私、失敗しないので」という決めゼリフがあったけど、使い勝手のいい決めゼリフやフレーズがハマると、勢いが増して、そこから社会現象化するということかもね。
太 逆に、決めゼリフが微妙にハマらないと、見ているほうがちょっと気恥ずかしかったりすることあるよね。
田 『東京バンドワゴン』(日本テレビ系)の「ラブだね」とか、『クロコーチ』(TBS)の「せ〜いか〜〜い」とか?
太 あと、「安堂麻陽が死ぬことは禁じられている!」も。
田 『安堂ロイド』(TBS系)。柴咲コウのピンチに、シュンッといった感じで颯爽と登場し、毎回このセリフを、キムタクがキメキメで言う。
太 セリフ自体の印象は強いから、最初ボーッと見てたら、キムタクの役名が『安堂麻陽』なのかとちょっと勘違い。
田 終盤は、敵役のアンドロイドの桐谷美鈴に、「誰に禁じられてんの? ウケる!」と、ツッコまれてたけど。それから、途中までの回は、キムタクロイドはだいたい充電してた印象が残ってる。
太 終盤はハードに盛り上がってきたけど、最終回のクライマックスで、唐突にこれまで1回も流れてなかった小田和正の曲がかかり始めて、キムタクロイドが青空の彼方でボーン! という流れ、アレは最高だった。
田 まあ、対象の視聴者層が違うんだろうけど、『ロイド』は『半沢』のバトンをうまく受け取れなかった。一方で『ごちそうさん』は、“あまロス”どころか、軽々と『あまちゃん』超え、近年ブッチギリの視聴率なわけだけど。
太 決めゼリフはあまりないけど、キャラでいけば、大阪編に入った途端登場して強烈な“いけず”をみせた、キムラ緑子の和枝姉さんのインパクトがすごかった。
田 ほのぼのとした東京編の空気と、ピリピリする嫁姑の空気で引っ張った大阪編の序盤。家族を軸に朝ドラの定番をうまく取り込めたのも強かったのかも。