優勝賞品と副賞が物語る、『THE MANZAI』が『M‐1』を越えられない理由
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎滑り倒すフジセンス
『M‐1』の頃は、年末にガッと決まって、その後の正月番組に立て続けに出ることで、何かこう「お笑い界に、新たなスター誕生!」て感じで盛り上がったもんだが。『THE MANZAI』ねぇ。去年優勝したの誰だっけ。
『M‐1』の頃は「賞金一千万」てのが枕詞となり、売れていない現状との対比もドラマティックだったが。「優勝賞品・フジテレビのレギュラー番組」て。しょぼ。番組名さえハッキリしてない。去年優勝したコンビも何に出てるのか五里霧中だし。芸人にとっちゃ、これ日テレの方が有難いんじゃないか。「副賞は日清のカップ麺10年分で~す」てのもなぁ。相撲で優勝した力士が「米一年分」とかもらってる画ヅラは面白いが。これはスベってるようにしか見えん。「ありがたくねぇ」の印象はスポンサーとしても心外だろうし。
「サーキットランキング」だの「ワイルドカード」だの「国民ワラテン」だの。変な自我滲み過ぎのルール用語も、浸透する気配まったくナシ。こういうのが浸透しないと、お前ら『M‐1』出ろよ」みたいな「慣用句」にならないんだよなぁ。
あんなに市民権があったモノが、フジテレビが扱ったとたんコレか。て、フジテレビを持ってくるとオチやすいなー。ホント助かる。来年もヨロシクね。
◎恒例化した「あゆの帰国芸」
早くも年の瀬。今年も浜崎あゆみの婚約の季節がやってきた。
いつもこの時分になると、右も左もわからん外国人と腕を組んで帰国。千昌夫か。いや、最初から洋モノ一本やりということなら、それは「癖」ということで片付けられて、こっちとしてもラクなのであるが。連れてこられたガイジンさんの顔を見ると。いつも必ず漂うのは「あの人」の面影……。
明菜が伝説と消え、トモちゃんが立ち直りを見せた今、日本で最も深刻な歌姫は、浜崎あゆみってことになるのか。しかし、深刻さの割には誰もあんまり心配も気にもしてないが。身分不相応な贅沢生活を続けてるせいなのかな。行って来いでチャラってことか。
◎芸能界の切り札揃い踏み
『内村とザワつく夜』(TBS系)に、マツコ・デラックスと大久保佳代子が緊急出演。マツコと大久保って、カードとしてすごいな。もう応急ですらない。患者急変時の処置である。「バイタルは?」「ルート確保して!」って生命が緊迫した状況で使うヤツ。
2人のトークに内村光良が「いやー、今日はもうV要らないなぁ」つってたが。そのVが要らないのである。最初から。まだ気づかんのか。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。