パパラッチも騙された? ビヨンセのアルバム制作、実は報道されていた
8月29日にはコンサート先のイギリスからブルックリンに戻り、レトロな遊園地で「XO」のMVを撮影。場所柄目撃者も多く、「鬼才フォトグラファーのテリー・リチャードソンが撮影した」「撮影は45分間にわたり行われた」という報道が流れた。9月17日にはブラジルでコンサートを行う前に、海沿いの小さな町、トランコーゾで「Blue」のMVを撮影。9月末にはメキシコでのコンサートを終えた後、ビヨンセはヒューストンに飛び、屋内遊技場「ファン・プレックス」のローラースケートリンクで「Blow」のMVを夜明けまで撮影。10月2日にはニュージャージー州オークランドで「Heaven」の撮影を行った。「Heaven」の撮影の様子はパパラッチされており、地元メディアでもビヨンセがMV撮影を行っていたことが報じられている。
その後、ビヨンセはジェイとパリに渡り、老舗ストリップクラブ「クレイジー・ホース・パリ」で「Partition」を撮影。撮影後はニュージーランドとオーストラリアでのコンサートを行い、10月23日にオーストラリアのメルボルンで「No Angel」のMVを撮影。この様子は多くのオーストラリア人に目撃され、「写真撮影かMVか何か!?」とネットでウワサになった。
11月11日には、ロサンゼルスで「Haunted」のMV撮影が行われ、出演したエキストラたちが「どんなMVになるんだろう」とツイートしている様子がファンの間で話題となった。そして、11月13日にはルイ・ヴィトンの目出し帽をかぶった忍者のようなビヨンセがロサンゼルスのスタジオから出てくる姿が撮られたが、これは「Superpower」のMV撮影だという。11月19日はニューヨークに飛び、「Jealous」のMV撮影を行い、このときも写真を撮られている。
なお、「Ghost」「Yoncé」「Rocket」「Mine」「Flawless」のMV撮影はスタジオで行われた可能性が高く、箝口令が敷かれていたため、事前にはリークしなかったものとみられている。
これらのMVにはビヨンセの愛娘ブルー・アイビーや夫ジェイ、コラボしたドレイクらが出演しているのだが、米大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」のパパラッチも登場。それは「XO」のMVで、「カメラを構えているパパラッチが、ビヨンセに腕を引っぱられ、顔を見合わせて笑顔になる」というもの。この撮影が行われたとき、「TMZ」では、「うちのパパラッチがMV撮影中のビヨンセに急接近できた」「ビヨンセがカメラに向かって、『ハイ、TMZ』と言ってくれた」「ビヨンセがおどけてパパラッチの腕を引っぱりカメラの前に出した。MVに映ってるかもしれない!」と大々的に取り上げてネット上でも盛り上がったが、誰も本当にMVに出るとは思っていなかったようだ。
「TMZ」創設者のハーヴェイ・レヴィンは、新作アルバムがリリースされる直前の真夜中にビヨンセの広報から、「おたくのパパラッチの一人が、ビヨンセの新作MVに出ていますので、ご了承ください」との電話連絡を受けたと告白。「寝てるときに電話を受けたから、“明日の朝まで待てないわけ?”と、ほっといたんだよ」と明かし、スクープに命をかけているスタッフたちから責め立てられ、「予告ナシの新作アルバム&MV17本のリリースだと知ってたら、そのまま寝るなんてことしなかったよ」「あ~、やっちまった~」と苦い表情を浮かべていた。なお、MVに出演した「TMZ」のパパラッチは、朝の情報ニュース番組で彼がビヨンセのMVに映っているのを見た父親から、「すごいじゃないか!」と揺さぶり起こされたそうで、「地震かと思ったよ~」と得意げな表情を浮かべていた。
新作アルバム『Beyonce』と17本のMVのリリースをここまで極秘にできたのは、「サプライズリリースに関するプロジェクトは、リリーというコードネームを使っていたこと」「ビヨンセ自身が自分に合うスケジュールを立てて、無理なく、焦ることなくことを進めたから」「担当者は何度もミーティングを行ったが、SNSにこのことを載せるのを厳禁としたため、業界にもマスコミにもリークしなかった」からだとされている。
リリース日を決定したのは1週間前だったなど、いろいろな面ですごいビヨンセのサプライズ劇。クリスマス休暇までにはCD/DVDも発売されることになっており、爆発的な売り上げを記録することは間違いないだろう。今月に入り、ジェイと共に「22日間の完全菜食主義生活を送る」ことを公表したビヨンセ。ヴィーガンになることで、肉体的にも精神的も浄化し、さらに高いステージを目指しているようだ。女王ビヨンセが、最終的にどこまで上り詰めるのか楽しみだ。