母親同士の探り合いとは無縁でいられたけど……WMのお受験は日常生活が大切!
受験が終わって約1カ月。他のお母さんたちの情報が集まってきて、傾向がわかりおもしろくなってきました。母親が働きながらお受験対策をするのは、時間的、体力的に大変ですが可能でした。働いている角川家がお受験対策として日常生活の中で行っていたことを紹介したいと思います。
●平日の食事は全て手作り
から揚げは肉を買ってきて、から揚げ粉をまぶし油で揚げました。いちいち面倒だったのですが、デパ地下での購入も一切やめました。案の定、面接で「お母さんの作る料理でなにが一番好き?」という質問が出て、「大根の味噌汁」と答え突破(笑)。「チキンナゲット」と答えた人は×でした。そのお母さんは面接対策としてシュウマイ作りを手伝わせていたのですが、受験に向かう電車の中で「終わったらマックのナゲットを食べようね」と話した直近の内容がお子さんにとって印象的だったのか、思わず「チキンナゲット」と答えたようです。ナゲットは、お店で買ってきたor冷凍食品と思われるからダメなのでしょうね。
●好きなテレビ番組は「受験向き回答」を教える
「○○ちゃんが一番好きなテレビ番組はなに?」というお約束の質問がやっぱり出ました。先輩お受験ママのアドバイスで、「戦隊もの、『仮面ライダー』、『ポケモン』、『プリキュア』は絶対ダメ」と言われていたので、「コナン」と答えて突破(笑)。子どもが本当に好きな番組は1番が『ポケモン』で、『名探偵コナン』は2番なのですが、「『ポケモン』と言ったら落ちる」と子どもに言い聞かせました。子どもの嗜好は変えられませんから、「受験向き回答」として教えました。ちなみに『サザエさん』『ドラえもん』が模範的解答だそうです。
『ダーウィンが来た! 生き物新伝説』と答えた子どもは、親の入れ知恵だと思われて×だったそうです。ほかの内容がダメだったのかもしれないけど、お母さんはこれが原因だと信じていたのでした(笑)。やはり子どもは子どもらしい答えのほうがいいのかもしれません。
●休日はお父さんと遊ぶ
「お父さんと一緒にする遊びでなにが好き?」これもよくある質問。やっぱり出ました。学校はお父さんが育児に積極的な家庭が好きです。なので願書もお父さんが書いた方がいいとお教室でも言われました。角川家では釣りをやっていましたが(受験対策ではなく趣味で)、面接では直近で行った遊びの「公園」と答えてしまいました。受かったからいいのですが、やっぱり子どもは直近しか覚えていないみたいです。お受験ママたちは、夏休みに好きでもないキャンプに行っていましたが、なんと答えたかわかりません(笑)。キャンプがイヤなら別の遊びでいいのです。
■受験は、母親の人間関係も大変!
保育園は親同士の人間関係がドライなのでいいのですが、年長の全員が受験をする自由が丘のセレブ幼稚園では、今の時期大変なことになっているそうです。受かったママたちは送迎の際にサッと帰るのですが、落ちたママはずっと園にいて「あの人、髪型変わったから受かったわよね」「笑顔がないから落ちたんじゃない」などのウワサ話ばかりなのだとか。かまってほしい受かったママは、「○○さん、そのコート素敵」と話しかけて、合格話に持っていくそうです。全滅したママだっているわけだし、私はそういう空間が耐えられないので、ほんとに幼稚園に行かなくてよかったと思っています! かん口令を敷いている幼稚園、または学年もあるそうですが、私なら、親の人間関係で不登園になってしまいますよ。「保育園からでも合格できる」と通っていたお教室で聞いていましたが、実際に合格してやっぱり本当だったと思いましたね。
若葉会や枝光学園などの名門幼稚園は受験熱がすごいので、もっと人間関係が大変なんだそうです。名門幼稚園出身は女子校のお受験に有利ですが、若葉会や枝光は幼稚園に入るためにお教室に通って、入ってからも小学校受験のためにお教室に通うので、子どもたちは一体いつ遊んでいるのか聞いてみたいですよ。子どもは遊ぶのが仕事。親の趣味に付き合ってもらってるぐらいの感覚でいてください(終わった人の余裕の発言)。
娘が春から通う学校のママ達は、セレブ過ぎてみんな専業主婦なんだろうな。働いてるママは医者とか弁護士、家業を継いでいるママしかいないのかも。角川家が普通に見える学校です。
角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では5歳の愛娘の子育てに奮闘中。