人間に媚びまくるロボットたちの宴! 『2013国際ロボット展』に漂う哀愁
――「踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損々」と言うけれど、どうせ同じなら「見るだけ」の方がだんぜん楽でしょ! ということで、日本中、いえ世界中の「変な大会」をナナメ切り。参加者、観客まで余すことなくウォッチング。
他人が作ったものを見て偉そうに評価するのは簡単だ。ネットにうじゃうじゃ湧いている批評家気取りの人たちが、実際どれだけ現実で価値のあることをしているか、まあわかったもんじゃない。スポーツを観戦している一般人は、偉そうにプロ選手を批評するけれど、間違いなく自分たちは彼らよりも技能も努力も劣っているはず。けれども我々凡人は、人の努力の結晶を見て、あれこれ偉そうに意見を述べたくなってしまう浅はかな生き物なのである。
さて、11月初旬、国際展示場にて『2013国際ロボット展』という、名前を聞いただけでもワクワクするイベントが開催された。日本人は他国と比べてロボットに対する情熱が異様に高いという。古くは十万馬力のアトムに始まり、猫型ロボット・ドラえもん、少女漫画では、清水玲子先生によって『ジャック&エレナシリーズ』などという、愛人業(売春行為をするらしいよ、ロボットなのに)と探偵業を営むロボットたちの物語など、少年少女に夢を与えるロボット漫画が描かれ続けた。
そんなロボットたちが一堂に会する『ロボット展』、行く前から大興奮である。正義の味方に会えるのか、それとも夢をかなえるポケットのついたロボットか、はたまたイケメンロボットなのか。一体どんな機械たちに会えるのだろう。
来客は全体的に真っ黒さて受付を済ませ、ホールに一歩足を踏み入れてみると、初めて来たイベントだというのに、妙に懐かしいような気分になる。これはどうしてだろう?
働くロボットたちをガラス越しにしげしげと眺める人間たち各企業ブースでは、ガラスケースの中でせっせとロボットたちが働いている。これは……、この様子は。ケースの中でゴソゴソとうごめくものたちをうれしそうに見つめる人間たちが集う場所……。そんなところが、上野や多摩にあるじゃないか。そう、なんだかこの様子は動物園にそっくりなのである。ケースにいるのが可哀想な動物たちか、働くロボットかの違いだけ。来場者にスーツが多いところからすると、大人の動物園といったところか。
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