ストーリーに深みを与える！　意外な歌唱力を持つハリウッドスター

　なお、撮影直前にドラム役が降板したため、ジョナサンは、アイルランドからプロのミュージシャンである実兄を呼び寄せており、この作品で兄弟共演を果たしている。

■ジョニー・デップ『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』（2007）

　悪徳判事に無実の罪を着せられて投獄された男が出所後、妻子がたどった不幸な運命を知り、恐ろしい復讐を企てるというミュージカル『スウィーニー・トッド』で、迫力のある歌声を披露したジョニー・デップ。感情がこもった、オペラ俳優のような声量ある歌声は、イケメン俳優という殻を打ち破った。

　もともとミュージシャンであったジョニーだが、「カラオケが怖くてたまらない」と公言するほど、歌うことを苦手としている。この映画への出演が決定した後も相当悩んだとのことで、「きっと、自分が誰よりも怖がっていたと思う。本当にちゃんと歌えるのかどうか、わからなかったしね」「音程を外してしまうんじゃないかって、心配で仕方なくて。だから、友達のガレージ・スタジオでデモテープを作ってもらったんだ。大丈夫かどうか知りたくてね」「人に自分の歌声を聞かれても大丈夫なのか、とても心配だったんだけど、別に上手に歌えなくてもいいんじゃないか、そう思うようになったんだ。そのまま、歌えばいいんだって」と、明かしている。