「獲る気満々だったのに」村上春樹、またもノーベル文学賞落選の裏事情
10月10日に発表されたノーベル文学賞。今回も文壇界では恒例行事となる、「村上春樹の受賞」が期待されたが、結果は落選。最新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)は、発売から7日間で発行部数100万部突破と発表され、下馬評こそ上々だったが、やはり本作でも受賞することはできなかった。
「毎回大型書店などでは、村上のノーベル文学賞受賞キャンペーンが打たれるほどのお祭り騒ぎになりますが、一方で当の村上本人は素知らぬ顔……というのが世間のイメージでしょう。しかしそんなことはない。誰よりも受賞に色気を見せていたのが、ほかならぬ村上春樹本人です。今回の『色彩を持たない』に関しても、あの手この手で受賞を狙っていたんです」(出版関係者)
選考基準は原則非公表であるノーベル文学賞。しかし村上はちゃっかりある策を練っていたようだ。
「村上が今回文藝春秋から新作を出したのは、同社の海外著作権室を使って、ノーベル文学賞選考委員にアピールしたかったからと、もっぱらのうわさです。彼が今まで書き下ろしの長編小説を出版してきた新潮社や講談社も翻訳物が強い会社ですが、今回は新しいラインを構築するべく、文藝春秋からの出版となったわけです」(別の出版社社員)
ノーベル文学賞の受賞可否については、選考委員の推薦がモノを言うというのが定説。しかし、もし選考委員からの推しがあったにせよ、村上は結果的に受賞を逃していたのではといわれているという。
「昨年の受賞作は中国人作家の莫言だっただけに、アジア系から受賞者が出るのは、あと2~3年先だというのが、文壇界での見立てです」(前出・出版関係者)
かくして村上の奮闘も虚しく、今回も受賞は絵に描いた餅として終わってしまった。もはやここまでくると、ファンならずとも次の一手に期待したいところだが……。