「彼の奥さんの流産祈願に行きました」裏切られた女が、婚外恋愛を続ける理由
■“子作り”という第二の裏切り
しかし、体の関係になってから1年足らずの頃、彼から衝撃的な宣言をされたという。
「彼が突然、宣言したんです。『子作りをする』って……」
表面的には了承しながらも、愛美さんの心は穏やかではなかった。それまでは週に1回だったデートが、ぽっかりと空く週ができ始めた。彼が自分以外の女を抱いていることで頭がいっぱいになった。
それから数カ月後、愛美さんは、彼から「子どもができた」との事実を告げられる。彼ができてからは、ご主人との夜の営みを拒み、彼だけに操を立ててきた愛美さん。しかし、ようやく辿り着いた彼も“して”いた――。
その事実に絶望した愛美さんは、ある行動に走る。彼の奥さんの流産祈願のために、京都・四条に位置する有名な縁切り神社「安井金毘羅宮」へと向かった。
「ネットで見つけて、すぐに京都旅行の計画を立てました。夫には、『小学校時代の同級生から久々に連絡が来た』と嘘をついて、1人で京都に行き、彼の妻の流産を願う絵馬を書きました……」
そこまで追い詰められた愛美さんだったが、現在もご主人との婚姻生活は続行中、彼との交際も続けているそうだ。
愛する2人の男から裏切られたにもかかわらず、それでも関係を保つのはなぜなのか? そう質問すると、愛美さんは屈託のない笑みを浮かべて即答した。
「未来のためです」
愛美さんのご主人は、中小企業に勤めるサラリーマンで生活は安定している。そして愛美さんの彼は、交際歴3年ながらも、いまだに恋愛気分を味わわせてくれるという。
「あと20年もたてば私もおばあちゃんになるし、夫は先に死んじゃうと思うんですよ。今、どちらかと別れてしまうより、我慢できるところは我慢して、バレずに恋愛を楽しみながら、老後に可愛いおばあちゃんになった方が得でしょう?」
自分自身を大切にしたいという愛美さんは、夫との子作りを拒否し、週に一度のエステに通い、毎朝のジョギングを習慣にするなど、“自分磨き”を怠らない。
そんな愛美さんの、「可愛い」と言われ続けるための努力は、今のところ報われているようだ。ご主人は、社内運動会や部署内の家族ぐるみのバーベキューパーティなどの機会には必ず愛美さんを出席させ、小柄で愛らしい顔立ちの彼女を自慢のタネにするという。そして、平日の昼間には婚外恋愛相手から、女として“愛されている”という実感を得る。2人の男から愛され続ける彼女は、妻や母となると途端に縁遠くなってしまう「可愛い」という甘美の言葉を、38歳になった今も浴び続けているのだ。