『徹子の部屋』出演で確信、茶の間が“知ってる”加トちゃんはもういない
今、勝手に心配されてる度、多分トップクラスの加藤茶・綾菜夫妻。
最近は夫婦セットでよくテレビに出るようになり、アクセサリーなどを扱う奥さんのネットショップを、加トちゃんのブログでPRしたりしている。しかし、茶の間からしたら、タレントや女優でもない彼女のことは、「加トちゃんの妻」としてしか認知されていない。それなのに、彼女の情報が世間の需要よりちょっと過多気味なのだろう。加えて、ブログに登場する奥さんの友人たちという面々が、揃ってやたらいかつく派手目系ばかりだったりするのも、茶の間の心配に拍車をかける。そのうち、奥さんのお友達のいかつい面々に影響されて、そっち系のファッションを着だして「おいおい、加トちゃん!?」みたいなことになったら、茶の間から「無理すんなよ! ビバノンノン」的な視線が送られそうだ。
9月17日に、そんな加トちゃんが『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にやってきた。今回は、加トちゃん1人での出演。加トちゃん本人は、一部世間のそういう勝手な心配を知っているのだろうか。そして、徹子も知っていたりするのか。「アナタ、ずいぶん派手なお友達がおうちに入り浸ってらっしゃってるのね」とか聞いたりはしないと思うが、どうなのだろう。
トークでは、奥さんがいつも加トちゃんの健康を気づかって、バランスのいい食事を作ってくれるため、これまで食べなかった野菜や魚も食べるようになったなど、奥さんの気づかいを何度もアピールしていた。こうした良妻ぶりを印象づけるトークも、加トちゃんからの「心配いらないよ!」という茶の間へのメッセージのようにも見えた。
番組では、奥さんに聞いた加トちゃんについてのアンケートを紹介。
<初対面のときの印象は?>→「テレビで見るよりハンサムだった」
<結婚を決意した理由は?>→「東日本大震災のとき、連絡がとれなくて、12時間もかけて迎えにきてくれたこと」
<結婚してよかったなぁと思うことは>→「すべて。夫として100点! とても優しくて思いやりがある」
といった、ノロケ回答が連発された。ラブラブじゃないですか。そして、
<ご主人の素敵なところは>→「笑顔でいつも接してくれる。天使のような笑顔」
という回答を聞いたところで、「よかった……素晴らしいですね、僕……」と、ホッとしたように笑う加トちゃん。“天使のような笑顔”と言われたが、その安堵の微笑みが、昔から見慣れた「加トちゃんスマイル」とは全然別ものに見えたのは気のせいだろうか。
そんな心配をしてしまうのも、この日の加トちゃんは、子どもの頃から“知ってる”加トちゃんとは、まるで別の人物のように見えたから。加トちゃんといえば、表情豊かで、目もキラキラ輝いているような「わんぱく」イメージが強かったが、この日、徹子の前に座る加トちゃんは、なんだか目に力がなく、しょぼしょぼした感じに見える。「ちょっとだけよ」のコントでの表情の切り替えや、歌舞伎の表情でボケたりする時など、目ヂカラで笑わせてもらうことも多いだけに、力のない目つきは、本当に心配だ。「いつもお元気でいらっしゃるんですけども」「アナタ、若いから」という徹子の言葉が、奇妙に響く。途中で2年前の披露宴の時のVTRが流れたのだが、この時の新郎・加トちゃんは、ツヤツヤしてて、目も輝いていて、“知ってる”加トちゃんの姿だった。
それにしても気になるのは、往年のギャグを妻から「『何が面白いの?』って聞かれる」ということだ。「笑いってのは、説明して笑わせるものじゃないから」と言いながら、奥さんに一生懸命説明する加トちゃん……。今の小学生がDVDなどでドリフのコントを見て、ドカドカ笑っている場面を何度か見たことがある。おそらく、「お笑い」は世代じゃなく個人の問題だろうが、それが合わないのが最も身近な家族である妻だというのは、ちょっと切ない。
テレビのオンエアを見ても、たいてい「今日はあんまり面白くなかった」「ちょっとだけ面白かった」と、超辛口評価だという。でも、「それで、がんばんなきゃって思う」と、加トちゃんにとっての原動力になっているようだ。
「カミさんのために、一日でも長く生きていこうと思ってます」
「やっぱり、彼女のために元気になろうとか、彼女のために仕事をいっぱいやろうとか、そういうふうになりますねぇ」
と語る加トちゃん。奥さん大好きなんだなぁとは思うが、そう語る表情は、いろいろ悟ったような、そしてある意味ピュアな笑顔だったのが、とても印象的だった。
(太田サトル)