スペインロケでスリ・盗難事情ばかりをやたら語る、高橋真麻の切なさ
高橋真麻は、どこか切ない。言うまでもなく、高橋英樹の一人娘。性格も多分いい。だが、その育ちのよさからくる天然さと真面目さがいい感じに混じり合って、なぜか時折切ない現象が訪れ、面白くなることが多い。
9月6日に放送された紀行番組『アナザースカイ』(日本テレビ系)で、スペインを訪れた真麻。もちろんスペインの真麻も、切ない面白さを随所に見せてくれた。まず、なぜスペインなのか。それは、真麻がまだ生まれていない頃に、両親が旅行した思い出の地だからだという。そして、「新婚旅行の下見」も兼ねているという。そういえば、少し前に熱愛報道があった。その彼との新婚旅行かと思いきや「目標とするものがちょっと違うみたいで……」と、どうやら別れたようだ。切ない。
さて、真麻のスペイン紀行はマドリードの街をセグウェイに乗ってめぐるという、いきなり斬新なプランから幕を開けた。画面の左から右へ、スイーッと横切るセグウェイ真麻。これだけでかなりシュールだ。
「これ(セグウェイ)で観光なんて、本当におしゃれですね」
とか言いながらゴキゲンな真麻だが、ハンドルあたりに取り付けられたカメラでの映像がローアングルすぎて、ネットで<●●>と記号だけで表現されいじられる鼻の穴が、いつも以上に強調気味になってしまう。やっぱり切ない。でも面白い。思えば、ずぶ濡れになりながらも続けた7月末の隅田川花火大会のレポート姿が話題になったが、それこそ切ない真麻の奇跡だったのかもしれない。
そんな中、ロケ中の真麻はやたらとスリ・盗難について語る。現金やパスポートは衣服の下に装着するポーチにしまい、腕時計は「盗られてもいい」ものだと、聞かれてもいないのにアピール。さらに、
「ひったくりに遭った時に、追いかけて走れるように」
と、かかとの低い靴をチョイスしているとか、とにかくスリ対策について語る真麻。その後も、「このへんはスリが多いんですって。だから一番気をつけなきゃいけない」とか、よっぽど嫌な経験したのかと思うぐらい、どこまでもスリを警戒する。それでいて、バールめぐりをするうちにベロベロに酔っぱらってしまい、店内で爆睡してしまう。思い切り無防備、“スリチャンス”。VTRを見ていた番組MCの今田耕司も、「ムチャクチャやんか、もう」と、普通のツッコミをせずにはいられない。
真麻が言うには、換金しやすいため今はiPhoneが狙われやすいとのこと。そう解説しながら、あらためて気持ちを引き締める真麻には、iPhoneを守らなければならない理由があった。それは、
「私の局アナ時代の思い出が詰まっているから」
フジテレビアナウンサー時代の同僚たちなどと撮った写真が入っているからだという。いい話だが、
「私が、あんなキレイな人たちと一緒に、同じ時代を生きた証なのに」
おお、真麻……。“あんなキレイな人たち”って、自分と同僚を分けてしまっていたのか。さらに、真麻の「切な面白い」トークは続く。20歳になった時、甘くて飲みやすいけどアルコール度数が高いカクテルを飲ませる男性もいるから気をつけろと、両親に言われたという。しかし、
「1回もそんなシチュエーションにあったことがなくって」
「バーとか連れてってもらったことないですね」
「口説かれたことなんかないですから」
切ないコメント三連発。そして、口説かれない理由を、こう分析していた。
「なんかゆるキャラみたいな、キャラクターみたいになっちゃってて」
ゆるキャラだったのか、真麻。思えば、入社当初は、コネ入社的なポジションに思われ、ものまね番組などではタレントよりも豪華な衣装をつけて熱唱したため、やたら嫌われることも多かったかと思う。しかし、いつしか「シンデレラ・ハネムーン」を歌いまくることを“芸”のように変化させ、武器に変えていった真麻。とんねるずやナインティナインにいじられまくっても、笑顔を絶やさない。ほかのアナがやらないような汚れ仕事も全力でやる。その結果が、「ゆるキャラ」ということだろう。
サグラダ・ファミリアのキリスト像に祈った、「早く素敵な旦那さんが見つかりますように」という真麻の切ない願いが叶うことを、全国のゆるキャラファン……いや真麻ファンは願っている。
(太田サトル)