男の裸を生かしきれない? 「美ST」の年下男子ヌードに感じた違和感
■腹筋はセックスアピールとして有効か
「年下男子の抱かれたいB・O・D・Y」という企画ページ。大東駿介、桐山漣、青柳翔、入江甚儀、古川雄輝、武田航平という若手イケメン俳優6人の上半身裸のグラビアを、1人1ページずつ掲載しています。タイトル横には「眺めるだけで女性ホルモンアップ」と書かれています。えっと、それ、テキトーに言ってるだけですよね? ドキドキもワクワクも何も感じなかった筆者は、女性ホルモンがすでに枯れ井戸状態なんてこと……な、ないですよね? 好きな俳優の裸ならともかく、あまりよく知らない俳優ばかりだし、腹筋、胸筋ばかり強調されてもね、引き締まっててうらやましいなとは思えどコーフンはしませんね。どうして男性芸能人は腹筋をアピールしたがるのか、むしろ疑問符しか頭に浮かびません。
もちろん人によってはお好きな方もいらっしゃるとは思いますので、これが無意味とは思いません。しかし、「an・an」(マガジンハウス)恒例のヌードも含めて、女性誌は男のヌードをいまいち生かしきれていないように思います。声を大にして言いたいです。脱げばいいってモンじゃないんだよ! ま、それは仕方がないことです。男性誌における女性のヌードの多さ、歴史の長さに比べて、女性誌における男性のヌードはまだまだ少なく歴史も浅い。未開のジャンルです。だからこそ、各女性誌がいろんな試みをすれば「女性が見たい男性のヌード」文化がもっと深められるんじゃないでしょうか。眺めるだけで本当に女性ホルモンがアップしそうなヌード、見たいです!
女性ホルモンの減少によるトラブルはケア次第で緩和できるかもしれませんが、減少そのものは止められません。どんなに美しい女性でも加齢は止められない。そこをどうこう論じるのもいいのですが、せっかくこんなに自由に女性誌がセックスを語ったり俳優を脱がせたりできる時代なのだから、読んでいて「年をとるのも悪くないな」と思わせるような大人の女性のためのエンターテインメント誌があってもいいように思います。既婚、未婚、子持ちといった属性に縛られない「美ST」なら(「an・an」もですが)、そのジャンルを切り開くことができるのではないかと期待しています。正直、もうホルモンの話は聞き飽きちゃいました!
(亀井百合子)