カルチャー
萌えの潮流に新たな展開?

『リーガル・ハイ』『ダンガンロンパ』うざすぎる“へりくつ男子”が萌え?

2013/09/14 14:30
「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation (1)」(角川書店)

 口の立つ男、理屈っぽい男といえば、「うざい」「めんどくさい」「厨二っぽい」と煙たがられ、特に女性からは敬遠される。少なくとも、モテる男像としては最もかけ離れた存在だったはず。しかし、最近ではアニメやドラマ、映画などで、理屈っぽいどころか“へりくつ男子”と呼ぶべき男子たちの人気が高まっている。

 映画もドラマも大好評だった『ガリレオ』(フジテレビ系)だが、その魅力はなんといっても福山雅治演じる湯川学教授。「現象には必ず理由がある」が口癖の彼は、理系にありがちな論理系へりくつ男子といえるだろう。そして、ドラマが大ヒットし、秋には第2弾が放送されることも決まった『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)の堺雅人演じる古美門研介は、口を挟む隙を与えないほど矢継ぎ早に言葉を繰り出す、マシンガン系へりくつ男子といえる。同じく堺主演で、今期高視聴率をキープしているドラマ『半沢直樹』(TBS系)もその論破ぶりが人気だ。銀行員の半沢が、自分より目上の相手を言い負かす姿が見ていてスカッとすると視聴者に絶賛されている。あえて名付けるなら、彼は下剋上系へりくつ男子だろうか。

 このように、ドラマに登場するへりくつ男子が人気を集めている昨今。しかし、彼らよりもさらにその上、なんと、そのへりくつっぷりが「萌える」とまで言われる作品が登場した。それが、今夏アニメ化された『ダンガンロンパ希望の学園と絶望の高校生』(TBSほか)だ。ストーリーは、学園長から殺し合いを強要された生徒たちが、学園で起こる殺人の犯人をつきとめるべく、学級裁判で推理を披露していくという作品だ。ここには、一体どんなへりくつ男子が登場するのだろう。

 まず、主人公の苗木誠は、童顔で心優しい平凡な高校生。例えば、犯人を問い詰める時も最初から決めつけることはせず、一つひとつ、相手に「キミの名前だよね」とか「昨夜トラッシュルームに行ったんじゃないの?」と問いかける。自分が犯人だと疑われた時も穏やかに、「でもその時間ボクは食堂に来なかったはずだよ」と、ずっと食堂にいたという女の子に確認するのだ。聞き方はおとなしめでも、根拠や確証を大事にする。そして、温厚で平和主義の苗木は、相手の言い分もきちんと丁寧に聞くのだ。

 しかし、苗木の口癖は「それは違うよ」。例えば、本名を頑なに明かさない人物が「確かめる方法がない以上、それが真実なんだよ」などと言い分を十分に展開した後に、「それは違うよ」と返す。そして、「確か、電子生徒手帳は起動時に本名が出るはずだったよね」「見せてもらえるかな?」と畳み掛ける。相手の言い分をしっかりと聞くため一見優しそうに見えるが、最後に「それは違うよ」とひっくり返すという、なかなかに高等なテクニックを持っているのだ。苗木は、ひっくり返し系へりくつ男子だろう。

 しかし、その苗木よりも人気なのは御曹司のメガネキャラである十神白夜だ。初対面の相手にも「おい……俺に指図するんじゃない愚民め……」と冷たい目で言い放つ彼は、高圧的な見下し系へりくつ男子。自分が犯人だと疑われてもまったく動じず、逆に「根拠を言ってみろ」と平然と言い返し、犯人じゃないと主張する相手には「無実を証明したいなら、証拠を見せることだな」と言い渡すのだ。また、謎解きの最中やほかの生徒の推理を聞きながら、「おもしろい」と言って推理自体を楽しんでしまう十神。

 そう、『ガリレオ』の湯川教授しかり、へりくつ男子は凡人とは違って、難しいことや自分が解決できないことに直面した時、さらなる探求心を発揮し、面白がってしまうのだ。その上、人の感情など一切気にしない十神は他人の忠告にもまったく耳を貸さず、「ありがたく受け流させていただこう」と本当に受け流してしまう。しかし、それくらい自分の感情だけを信じている十神だからこそ、電子生徒手帳の貸し借りが話題になった時に「校則にあったのは他人への貸出は禁止。だが、借りるのは禁止じゃない」と、ほかの誰も思いつかなかった盲点を見つけることができた。

 しかも十神がへりくつを繰り出すのは、敵だけでなく仲間に対しても同じ。内通者だった人物を信じると言う苗木に「バカバカしい。お前はメルヘンの世界にでも住んでいるのか」と言ったりするが、こうして人をバカにするにもいちいち何かにたとえるのも、へりくつ男子によくあること。ボキャブラリーの豊富さゆえ、見た目には似つかわしくない言葉が飛び出してくるのも、へりくつ男子の魅力だろう。

 優しそうに見えて最後にひっくり返す苗木や、Sっ気とボキャブラリーたっぷりの十神、探究心が強く論理的な湯川学教授……理屈っぽいと一言にいっても、へりくつ男子のバリエーションは豊富にそろっているようだ。しかし、もしへりくつ男子が自分の彼氏だったら……と考えると、毎日それに付き合うのは、やっぱりちょっとめんどくさい。だからこそ、眺めて萌えるくらいがちょうどいいのかもしれない。

最終更新:2013/09/14 14:30
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