希望すら残酷な感情だとわかっていても、ね? 『風立ちぬ』の光を信じるの
サイ女な皆さ~ん。連載陣に、女装のおじさんがいたこと、覚えてますか? お久しぶりです、ブルボンヌですぅ。軽く1年ほどごぶさたしちゃってごめんなさいね。お直し大工事してたわけでも、浮気現場を目撃されて雲隠れしてたわけでもなく、ただの怠慢だよッ!(どや顔)
さて、アタシが2丁目のクラブなどで披露してきた余興のひとつに、ナウ○カショーがあります。「1年半ぶりですもの、チチが喜びます!」と乳をムンズとわし掴み。青き衣をまとい新宿二丁目の野に降り立って、もう15年近くがたったでしょうか。
小学生の頃、体育館に集められ、予備知識もなく見せられた映画『風の谷のナウシカ』。周りの小学生のガキども(お前もじゃ)が、メーヴェに乗るナウシカがパンツはいてないように見えると騒いでいる中、アタシは1人、アホみたいに泣きまくっていました。
以来、アタシは宮崎駿監督を心から愛しています。見た目もイケるんです。今現在の駿たん72歳とでも、すぐにお相手したいくらい。なんなら鈴木プロデューサーもまとめてお願い!(フケ専と見せかけてダレ専)
そんな愛する監督の「遺言」などとも言われている今作、これは早く見なければと、おさわりなしのピュアデートを繰り返しているかわい子ちゃん(デブ)を誘って鑑賞してまいりました。
実在の人物、零戦の設計者・堀越二郎の評伝に、堀辰雄の小説『風立ちぬ』を融合させた物語。そんな基礎知識すらないままに(あら聖子ちゃんじゃないのねレベル)、あいかわらずの美しく躍動感ある映像から、戦前の世界に引き込まれていったのです。
『プロジェクトX』(NHK)ばりの零戦設計物語なパートは、監督の趣味でもあるし、男性客も大いに楽しめる部分かもしれません。が、アタシは子どもの頃からミニカーよりリカちゃん人形を欲しがった筋金入りのカマっ子。技術開発的なワクワクはおいといて、「夢をもって創造する仕事のジレンマ」が心に残りました。彼らは、飛行機が大好きで、素晴らしいものを設計したいだけなのに、それが人殺しの道具、兵器に使われ、またそのせいでの制約も多く受けることになります。
そこまでの葛藤ではないにしろ、例えば宮崎監督自身の想いを込めた映画作りが、興行としての制約とぶつかってきたことは、容易に想像できますし、アタシも、アタシなりに意義をもってやっているつもりの表現手法、「ゲイの女装パフォーマンス」が、お仕事の中では時に魂を売るピエロと化し、「どんだけ~ぇ」とダミ声でサービスしなければならないジレンマも感じるわけです(途端に葛藤レベル低下)。