角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第46回

セレブ保育園に憧れて無理して通わせる親も……保育料未納トラブルの現実

2013/07/20 16:00
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今年もプールが始まりました。夏休みの一時帰国を利用して通うお友だちが加わってとってもにぎやかです

 保育園を作ってもうすぐ2年。これまで大きなトラブルはないものの、やっぱりあるのが保育料(※編註)の滞納です。支払いを忘れているだけの人なら、連絡したらすぐ入金してくれるのですが、中には本当に払えない人もいるから困っています。

 駒沢の森こども園が有名になればなるほど、お金に無理をしてでも通わせたい親が出てきているのも事実なのです。「VERY」(光文社)に載ったり、「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)で紹介されたりすると(発売中の8月号に掲載)、遠方からの入園希望者や経済的に無理をする入園希望者が多くなります。有名私立校じゃないのだから、あまりに家と離れているのは親子ともに負担が大きいと思うのですが……。華やかな人たちがほとんどですが、華やかな人に憧れている保護者もいるのがセレブ保育園の実態だと思いますね。

 当園では契約書の第7条4項に、「支払期限を1週間過ぎた場合は、支払を確認できるまで休園扱いとするものとする」と記載していますが、実際に休園扱いにしたのは、最近現れた困った“未納さん”が初めてでした。契約書に「1週間」とありますが、今回は、1週間で休園にしたのではなく、2週間以上滞納してからの措置となりました。

 “未納さん”は園の見学、契約ともに30分くらい遅刻してやってきました。契約の際、母子手帳を持参していただくことになっているのですが、「見当たらない」とのこと。第一印象は、ルーズな人だと思いました。見学時に霊視をしているのですが、これといって問題はなく、「狸」が軽く憑いているくらい。狸が憑いている人はけっこう多いことと、それが原因で大きな問題に発展することはないので別に断る理由はありませんでした。

『角川家の戦後』