カルチャー

刺身盛り合わせは表示義務ナシ!? 知っておきたい「産地表示」のウラ側

2013/07/21 16:00
Photo by puamelia from Flickr

 「原発事故の詳細隠蔽」「復興予算の横流し隠蔽」「列車脱線事故の原因隠蔽」など大きな偽装から、「偽装結婚」「偽造パスポート」「海賊版DVD」などの身近なもの、果ては「パクリ・偽物大国:中国」に至るまで、我々の身の回りには「偽装」があふれ返っている。「偽装の中で、何が真実かわからぬまま生きている」と言っても過言ではない。そんな中で、ごくごく我々のすぐ近くにある偽装について、いくつか探っていきたい。

 身近と言えば、スーパー、コンビニ。誰でも、週に何度かは利用するだろう。私自身もほぼ毎日足を運んでいるが、店員からある話を聞いて以来、足が遠のいている。スーパーで長年、惣菜コーナーを担当する栄子さん(仮名、57歳)は語る。

「うちは、夜11時閉店だから、その2時間くらい前から『見切り品』扱いにして最大で70%オフにするんだけど、どうしても売れ残るものが出てくる。景気のよかった頃は、廃棄品は従業員が持ち帰り自由だったけど、今じゃ『翌日の朝イチ商品』になっちゃってるからね」

 売れ残ったお惣菜や弁当類は、翌日、「できたて」として売られるということだ。一度、私の友人が閉店間際の残ったコロッケに印を付けて翌日確認に行くと、惣菜コーナーのコロッケ3列目にあったという。栄子さんによれば、確実に新しい物を買いたければ、夕方の商品補充時間に、まさに「できたて」を並べに来た店員のトレーから直接買うのがベストだとか。

 そして、刺身。商品を見渡せば、「新潟港産」「太平洋産」「北海道産」と産地表示がされている。さらに、モノによっては、「産地表示のない刺身」もかなり目に付く。栄子さんが言うには、「同じサンマでも【三陸沖産】【銚子港産】【茨城県産】などと、最低3種類の表示が必要らしいね」とのことだが、どういうことだろうか。

「実際のところ、その魚がどこで生まれたかなんて、絶対、誰にもわからないでしょ。マグロなんか、広い範囲を回遊してるし、正式な産地は誰にもわからない。獲れた水域、水揚げ漁港名、都道府県名なんかを表示するしかないんだよね。一応、そのスーパーに最も近い場所を表示してるみたい」

 なるほど。確かに、広い範囲を泳ぎ回るマグロの「生まれた場所」なんぞ調べようがないだろう。また、「刺身の一点盛りは『生鮮食品』だから産地表示が義務なんだけど、刺身盛り合わせについては『加工食品』として扱われるから、産地表示が義務対象外になる」とのことで、これにも驚きだ。

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