安藤美姫の「父親は誰か？」探しでハシャギまくる週刊誌に踊る、男目線の言説

　この騒動はまったくもって気の毒ことだ。安藤は大手芸能事務所の後ろ盾などもなく、芸能メディアもやりたい放題。もちろん、その背後には今回の出産を快く思わず、自分たちが蔑ろにされたと思い込み、事前に相談もなかったなどと勘違いの逆恨みを抱いている関係者のチクリもあるのだろう。こんな男目線の風潮や言説がまかり通るのがスポーツ界、そして日本の現状である。安藤の女性としての当然の権利、主張は、五輪の有力アスリートという大義名分のもとに沈み込む。それは一般社会にも当てはまることだろう。日本の少子化も進むはずだ。

　だが一般世間はわかっていた。TBS『情報7days ニュースキャスター』と「週刊文春」が安藤の出産や五輪出場に対する賛否アンケートを試みようとしたが批判が殺到、アンケート断念や謝罪という事態になっている。

　最後になってしまったが大きな疑問が残っていた。南里康晴って誰？　今までみんなも知らなかっただろうに――。

　「自身」「週女」は合併号ということで、「あの事件、離婚後は今」的なワイド特集を組んでいるが、双方とも姿を消した矢口真里を取り上げている。「自身」は自宅マンションに引きこもっているという矢口の姿を追い、遂に本人をキャッチすることに成功した。7月4日の午後、母親が事前に周囲にマスコミがいないかを確認するような行動をした後、マンション前に実家の両親が乗る車が到着した。そこに厳重変装した矢口本人がマンションから猛ダッシュで飛び出し車に乗りこむ。車はそのまま発進し、2時間後、再び戻ってきた車から矢口が猛ダッシュでマンション内に入っていったという。不倫騒動後の貴重な矢口の姿を捉えたものだが、残念ながら「自身」は、矢口を目撃しただけで、猛ダッシュする矢口の写真撮影には失敗した模様。記事には目撃時の写真はない。しかしなぜか代わりに11年5月、マスク姿で変装している矢口の過去写真が掲載されている。これがいかにも“隠し撮り”風の過去写真。今回の記事内容やタイトルからして、一瞬「矢口の近々の姿か!?」と思わせるような、極めて紛らわしい写真なのだ。張り込んだ挙げ句、矢口を目撃したが、写真撮影には失敗した。仕方ないので、昔のそれっぽい写真で代替した。そうとしか思えない写真チョイスだが、読者を惑わす姑息な手段というほかない。

　一方、「週女」は「自身」が矢口を目撃することに成功したとは露とも知らなかったのだろう。「（矢口の）近影を撮りたいためマスコミ各社とも血眼になって探していますが、依然姿を現さない」と言い訳めいた一文から記事をスタート。多くの説があるが、矢口の居所はどこも掴んでいないと記した上で、実家近くのマンションにひとり潜伏しているという芸能プロ関係者の証言を得意げに掲載した。しかも「週女」は矢口マンションを張り込む労力を惜しんだのだろう。本人をキャッチすることなど、最初から頭にない様子で、代わりに実家の母親を直撃している。もちろん母親はノーコメント。

　「自身」「週女」とも合併号ワイドだから矢口記事は必須でしょう、という安易な企画の元、どっちもどっちの中途半端な取材ぶりである。だが、曲がりなりにも矢口本人の姿を直接目撃することに成功した「自身」に軍配を差し上げたい。

　それにしても矢口はなぜこれほど頑に表に出ないのだろう。浮気がばれて恥ずかしいから？　いや、それだけでは説明がつかない。極めて近い人間からの情報漏えいがあり人間不信に？　うーん。イマイチ。もっと深い何らかの事情があるのか。矢口ともあろう人が、浮気ごときでしおれている場合ではない。こんな時こそ、厚顔無恥な芸能界の浮気男たちを見習って開き直ってほしいものだ。芸能界において矢口にはそのくらいの価値が（まだ）あると思う。

　先週、「セブン」で白人の新恋人の存在が明らかになった浜崎あゆみだが、その元カレ・内山麿我があゆとの関係を「自身」で激白した。スワッ!!　セックスの話なんかも暴露してるの？　捨てられた恨みつらみ？　なんて下心モリモリで期待して読んだがガッカリ。知りたいことは何も書いてなかった。あゆとの出会いや破局の真相もない。問題だったはずの麿我自身の別恋人と子どもの存在、前妻との離婚についても全然語られてない。あゆの得意料理を食べたなんて“ノロケ”話を今さらされてもね。しかも麿我はあゆと破局後、一時ホームレスをしていたらしい。どうでもいいけど。さらにホームレスになって最初に買ったギターが23万円――。アホか。お涙頂戴にもならない。高額ギターの話しをわざわざして、一体何が言いたいの？　と思ったら8月中旬に麿我の初めてのCDが発売されるんだってさ。何のことはない、あゆとの関係をダシにしての宣伝だったわけだ。下らない。