連載打ち切りは友情終了のサイン!? 「SPA!」と峰なゆかの奇妙な世界
あの子とこの子はホントに仲良し? いきなり出てきたあの子は何者? この子はどうして人気なの? 雑誌やネットで近頃目にするサブカル女性人、その気になる人間関係や周辺事件をサブカル界の事情通、gossipgirl Xがお届けするよ☆
元AV女優・峰なゆかのペンによる『アラサーちゃん』シリーズの第2弾『アラサーちゃん無修正』(扶桑社)が絶好調。4月に発売されるやいなやすぐさま重版がかかったようで、ワタシが先日書店で購入したコミックスの奥付では第3刷だった。出版冬の時代に900円の4コマ漫画がこれだけヒットするのだから感心しちゃうよね。
妙齢女子の本音と生態を鋭い視点で描いたこの『アラサーちゃん』シリーズは、もともとは峰がブログに投稿していた4コママンガ。これが反響を呼んで、2011年6月から「SPA!」(同)で連載がスタートしたの。同年秋にはメディアファクトリーからブログ投稿分が単行本化。峰の初コミックスとなったこのメディアファクトリー版は、発売から3カ月で5刷を記録するほどのスマッシュヒットに!
あれから1年半。「SPA!」連載分がコミックス化されることになって、扶桑社としては、ようやく出せる……といった気持ちが強かったのね。「SPA!」5/28・6/4合併号では、峰なゆか特集を6ページぶち抜きで掲載(「エロすぎる漫画家[峰なゆか]を丸裸にした!」)して、さまざまな著名人、有識者が『アラサーちゃん』を褒め殺しまくり!
「SPA!」はこれまでも『ゴーマニズム宣言』(小林よしのり)や『だめんず・うぉ~か~』(倉田真由美)といった漫画をヒットさせた実績はあるけど、峰はこれまでの連載作とは別格な扱いを受けているという印象。20代の美人、しかも元AV女優というスキャンダラスな肩書ゆえ、固いファンが一定数いるっていうのが理由なんだけど、一方で、今「SPA!」が苦境に立たされており、峰にすがっているのかがうかがい知れるっていうか。
現在の「SPA!」連載陣を見回してみると、峰の“お友達”がズラリと並んでる。『邪道モテ!』(宝島社)をはじめとして、タッグでの仕事も多い犬山紙子、峰なゆか特集でもコメントを寄せていた主婦コラムニストのまんしゅうきつこ、『アラサーちゃん 無修正』の発売記念イベントにも登壇した漫画家の中村珍、セット連載『アラだらけ君』の作者・市橋俊介も、もともとは峰が編集部に推薦した漫画家ってワケよ。
こうなると内輪受けネタも当然増えてって、連載内や欄外コメントなどで各々が“なゆゆ”との交流話を披露していたり、Twitterでも峰と“お友達”の仲の良さは手に取るように見えてくる。
もちろん表面上だけど、「これは胸焼け気味だなぁ……」とワタシは感じ始めてた。それを決定的にしたのが「SPA!」5/14号の『アラサーちゃん』欄外コメント。
「私のお友達が続々SPA!で連載を始めているので、そのうち誰かが打ち切りになったときから友情が壊れていくんだと思います」
これ、冗談っぽく書いているけど、峰以外の連載陣はどう捉えているのかな? 人気作の『アラサーちゃん』を「SPA!」が打ち切ることなんてありえないけど、ほかの連載陣は明日にでも峰との友情が壊れる可能性を秘めてるってことでしょ。そして、この言葉に対して中村珍は、『いくもん!』欄外にて「関係が壊れないように全員打ち切ってください」と返したってわけ。
もはや「SPA!」連載陣ヒエラルキーの頂点に立ったかのような峰! でも、彼女に対して誰も何も言えないような、誰もが気を使って接するような状況は、ちょっと奇妙。倉田真由美が頭角を現してきた時、西原理恵子が出る杭を思い切り打ちつけたみたいに、峰への強烈なツッコミ役も必要じゃない? 誰もが“なゆゆ最高!”って本心!?
現在、峰の対外勢力筆頭ともいえるのは久保ミツロウ&能町みね子。昨年行われたロフトプラスワンでの『俺たちデトックス女子会』では、『アラサーちゃん』にツッコミが入ったみたいだけど、そのうわさを聞いた峰は「読んでもらえてただけで嬉しいです!」とツイート。そして今月6日には、ついに久保と峰が対面を果たし、「初対面の峰なゆかと大変仲良くなりました」「久保ミツロウさんと大親友になったよ!」とこれまた互いにツイートしてた。うーん、“なゆゆ”の牙城はなかなか崩れそうもないわ!
gossipgirl X
1983年生まれのサブカルアラサー女子。出版社勤務を経て今春からフリーライターに転向。親父系週刊誌からファッション誌まで漫画喫茶で雑誌をむさぼり読むことが趣味。