カルチャー
「私、負け犬なんで」…自虐でプライドを守る【真に受ける女たち】
2013/06/26 20:00
その昔、30歳以上で子どものいない未婚女性を一刀両断「負け犬」と看破した酒井順子先生による『負け犬の遠吠え』(講談社)が一世を風靡した。当時ちょうど30歳に差しかかる年頃で子どももペットもいない未婚の私は、条件の該当者として大変生意気な感想を抱いた。
① なぜ、括るのか
人間は個性も価値観も千差万別で、結婚したい者もいればしたくない者も当然ながら、いる。結婚せずに出産・育児に励むカップルもいれば、夫も子どももいない自由を華麗に満喫している女性も多くいる。女の望む幸福の形は多岐にわたり、それぞれが快適に暮らすための選択肢にも多様性が望まれる時代に、なぜ、今さら、結婚や出産を選択しない女を「負け犬」というネガティブなネーミングの内に「括る」のか。その言い草以前に、限られたいくつかの条件を満たす者を大雑把に一括する思考が時代遅れで窮屈。人それぞれで、いいじゃない。
② 恋愛至上主義
恋愛における最大にして唯一の目的は、ドーパミンやらアドレナリンやらを、むやみに分泌して得る快楽と多幸感……
最終更新:2013/06/26 21:12