カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「日経ウーマン」7月号

“松下幸之助女子”登場! 「日経ウーマン」が「じじい賛美」をするワケ

2013/06/27 21:00

 対して、本誌の想定の範囲外の読者が堂々と登場するのが、「“じぶん年金”の作り方、教えます」のコーナー。離婚や買い物依存で貯金ができていない「貯蓄ほぼゼロ円さん」数人が貯蓄の方法を指南されているのですが、30代後半の「貯蓄ほぼゼロ円さん」が秀逸。なんと、副業ビジネスで約200万円借金し、現在は「貯蓄マイナス40万円」とのこと。「ほぼゼロ」以下です。

 たばこ代・ビール代・交際費に月4万を使っているほかに「使途不明金」が8万円あるそうですが、貯蓄云々以前に、まずは借金を完済してほしいところです。また、専門家の方が、借金完済後の「じぶん年金プラン」として「年間100万円貯蓄」と「投資信託をスタート」を勧めているのですが、副業で借金して返済もままならない人に投資は向いていないのではないでは……? リスクを考えずに大金投資して失敗するのが目に見えるようですね! 

■「彼の『結婚力』を見極める」質問が怖すぎる!

 小特集「結婚していい男子vs.ダメな男子の見極め方」には、「彼の『結婚力』を見極める」と銘打って、気になる彼が結婚に向く相手かどうかを「さりげなく」確認するための質問を紹介するコーナーが。しかしそこにあるのは、家事能力を知るために「シャツにアイロンかけたりする?」、稼ぎ力を知るために「都内に一戸建てを買うのって、普通じゃできないことなのかな」などの、自分を一段上に置いて相手を「品定め」しようという魂胆が透けて見える、まったくさりげなくない質問ばかり。

 女性だって、大して仲の良くないオッサンから、会話の流れも無視して「料理とかするの?」「子どもは好き?」などと、結婚相手として品定めするかのような質問をぶつけられたら不愉快な気持ちになりますよね? 相手が結婚向きかどうかなんて、じっくり付き合っていけばわかること。大事なのは「結婚力」なんて漠然としたモノではなくて、相手と自分の相性です。「どこかに『結婚していい』男子いないかな~」などという感覚でいたら、うまくいくものもうまくいかないのでは、と思います。

 「日経ウーマン」を読んでいると、結婚・恋愛だけでなく、友達関係などさまざまな人付き合いに打算を感じることが多々あります。例えば今号の読者投稿コーナーでは「『大学時代からの腐れ縁だから』とダラダラとつきあっていた友人関係を“断捨離”しました」という報告が載っていました。気になる異性の「結婚力」とやらを勝手に判定したり、友人を理解する努力をせずに、一方的に“断捨離”してしまう行為には、価値ある「一生モノ」を追い求め、無駄や浪費を徹底的に排除するという「日経ウーマン」の金銭感覚と共通しているのではないでしょうか。

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