“松下幸之助女子”登場! 「日経ウーマン」が「じじい賛美」をするワケ
久々に付録がついておらず、価格も手ごろな「日経ウーマン」7月号(日経BP社)。付録なくとも中身で勝負! という意気込みなのかと思いきや、前々号の特集「給料の正しい貯め方・ふやし方」と似たりよったりなマネー特集が用意されています。「1000万円貯めた読者が20代・30代でやったこと」でも、「無計画な外食をやめる」、「用事がないのにコンビニに立ち寄るのをやめる」、「エアコンを使うのをやめる」などといった、本誌だけでも100回以上紹介されてきたであろう節約テクがまたもや紹介されています。
節約志向で無駄を厭う「日経ウーマン」の手にかかれば、大特集「読むだけで、人生が変わる本」も当然、本をただ「読むだけ」では終わりません。読んだ本をフル活用するために、「目的を持って本を選ぶ」「制限時間を設けて、緩急をつけて読む」「重要な個所にマーキングしていく」「読書後のフォロー(本から得たポイントをまとめた読書メモを作る、読書メモを読み込む、メモをカテゴリごとに分類)」などのステップを踏むことが推奨されており、趣味のはずの読書があっという間にハードなタスクに変貌です。
しかし、変わり映えしないマネー特集と、好きな本さえ好きに読ませてくれない読書特集に辟易している場合ではありません。「日経ウーマン」の意外な一面を新たに見つけるべく、今月号も隅々まで読み解いていきたいと思います。
<トピック>
◎読むだけで、人生が変わる本
◎年代別☆知っておくべきお金ルール
◎結婚していい男子vs.ダメな男子の見極め方
■想定外の読者「貯蓄マイナス」さん登場
「ライフスタイル別 女の一生にかかるお金」は、フローチャート式で、さまざまな人生のイベントにかかる費用を紹介してくれます。しかしこのフローチャート、選択肢が「おひとりさまコース」と「結婚・出産コース」の2つのみで、いずれも「住宅購入」が必須事項となっているのです。親と同居か否かとか、転職・退職の有無とか、子が何人かとかで、必要なお金なんて変わってくるはず。読者の中には持ち家の人も転勤族で賃貸暮らしの人も非正規雇用の人もいるはずなのに、本誌がそういった多様なライフスタイルを完全無視するという荒業を繰り出してきたことに驚きました。