今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

手塚プロダクションの迷走を浮き彫りにした、「未発表原稿発見」商法

2013/06/21 21:00
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『手塚治虫とキャラクターの世界』/三栄書房

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎ズレた「コラボセンス」も……
 スクラッチくじと組んでみたり、くら寿司と組んでみたり。何かちょっと迷走の感のある手塚プロダクション。忘れた頃に、必ず「未発表原稿」が発見されるしな。ま、もう新しいモノが供給されることは永遠にないのだから、今ある貯金をいろんなことで小出しにしていくしかないのはわかるが。それにしても、「今、小出し真っ最中です」がダダ漏れってのはいかがなものか。そうやって、新しい市場を無理やり獲りにいくより、「未発表作品を親切に取り入れた全集作り」など、今いる手塚ファンを大切にした方が賢明だと思うのだが。手塚治虫のマンガ目当てでスクラッチくじ買う人も、くら寿司行く人も、手塚プロが考えてるほどにはいないと思う。あんまり。

◎今話題の「遅刻の言い訳」
 遅刻の理由をムービーで撮影し、言い訳がわりに見せるauのCM。これやってるのベッキーだからまだアレだけど、misonoだったらと思うとゾッとする。うかつにマネしない方がよさそうだ。でもこういうの、本当にやるヤツいるんだろうなぁ。前に、駅で電車が遅れた時、電光掲示板を携帯動画で撮ってた、スーツ姿の若者見かけたことあるもんなぁ。「24時間、365日働け!」というブラック企業と、「てなわけで遅刻しました!」と、来るなり動画の若者。……せめぎ合いは永遠に。

◎マルシアの意外な儲け口
 まったく出てくる気配のない矢口真理。まさかこのままスッパリ芸能界からオサラバってことなのか。「どう取り繕うの?」と、半笑いで叩く気満々だった世間は、虚を突かれた形に。それはそれで新しいというか潔いというか。あまりに本人が出てこないもんで、業を煮やして「浮気現場鉢合わせといえばこの人」つって、マルシアが担ぎだされてた。何が儲けにつながるかわからんな。水道橋博士に西村賢太と、今「降板ムーブメント」でもあるし。『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)収録中に怒って帰ったというエピソードも加えて、「あの時は怒ったフリをしてたんです」と「降板経験タレント」ってことでもイケるかもしれない。本当に、何が儲けにつながるかわからん。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

最終更新:2019/05/22 16:37
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