芸能
巨星墜つ

『北斗の拳』ラオウ役・内海賢二さん死去、声優界関係者が語る「生涯現役」の姿

2013/06/20 19:00
『世紀末救世主伝説 北斗の拳』/TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

 声優界の重鎮の訃報が相次いでいる。

 昨年12月には「サントリーBOSS」の名物CMで知られる、宇宙人ジョーンズ役・谷口節さんが突然の他界。今月5日には、大人気アニメ『ONE PIECE』(フジテレビ系)のセンゴク役・石森達幸さんが心不全で、そして13日には『北斗の拳』(同)のラオウ役・内海賢二さんががん性腹膜炎で亡くなった。そんな声優界の大御所の悲報に、業界内には激震が走っているという。

 『Dr.スランプ アラレちゃん』(同)の則巻千兵衛役など、広く茶の間を賑わせた内海さんの訃報は、業界関係者ならずともショックが大きいだろう。

「19日に行われた通夜には、1,000人以上の人が弔問に訪れたとのことですが、内海さんの演技に対する真摯な姿勢は、声優業界に携わる者すべての憧れでした。内海さんは最後の最後まで、激痩せした体で車椅子を使ってまで現場に通い詰め、キャラクターに声を当てていましたから」(声優業界関係者)

 そんな内海さんを、周囲はかなり心配して見守っていたという。

「病気になる前の内海さんは、あのどっしりとした安定感のある声に似合いの、恰幅の良い方でしたから……。しかし、内海さんはショックを受けるスタッフやキャストの視線をよそに、いつも通りの安定した演技を披露していましたね。内海さんは “生涯現役”を不言実行した方です」(同)

 そんな重鎮たちの死去に、声優業界の未来を不安視する声も少なくない。

「例えば、谷口さんは、ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズから『私の声を吹き替えるなら、彼以外あり得ない』とまで言わしめた人物。しかし残念ながら、今の声優は無個性化しつつあることを否定できません。目を閉じて声を聞けば、自然とキャラクターが思い浮かぶほどの強烈な個性を持つ声優は、徐々に減っているように感じます」(別の声優業界関係者)

 アニメや洋画の吹き替えで突出した才能を見せるよりも、アイドルとしての活動がファンから喜ばれるといわれる現代の声優たち。しかし、「『キャラクターに命を吹き込む』仕事をまっとうした大御所たちのバトンを受け取る、新しい世代の出現に期待したい」(同)という思いは、誰もが抱いていることだろう。

最終更新:2013/06/20 19:00
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