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実は彼なりのエールだって!

マリリン・マンソン、自殺未遂したパリスに、腕を切り刻むパフォーマンスを捧ぐ?

2013/06/10 16:00
おでこにギバちゃんみたいなシワあるもん、絶対いい人だよ!

 2009年に急死したマイケル・ジャクソンの愛娘パリス・ジャクソンが自殺を図り、病院に救急搬送されてから、早くも5日がたとうとしている。自殺の原因は家族問題など複雑な要素が絡まったものとみられているが、引き金になったのは、楽しみにしていたマリリン・マンソンのライブに行くことを禁じられたためだと伝えられている。

 ここ1年余り、ずっとメルトダウン・モードにあり、学校の成績も落ち続けていたというパリスは、たまりにたまった鬱憤を音楽を聞くことで発散していたようで、6日に開催されたマリリン・マンソンのライブに行くことを心待ちにしていた。しかし、エロとグロテスクが混じり合うマリリンのライブを見ることはとんでもないと禁止されてしまい、これまでため込んでいたストレスが一気に爆発。突発的に自殺未遂を図ってしまったと、米メディアは報じている。

 米ゴシップ芸能サイト「TMZ」によると、このことを知ったマリリンはすぐに「オレのライブには、いつでもウェルカムだから、来たい時においで」というメッセージを出し、6日に行われたライブでも、パリスのために熱唱したという。

 マリリンがパリスに捧げた曲は、「使い捨ての10代」という意味の「Disposable Teens」。

 「そう、オレは黒い虹だ/そう、オレは神の真似をするサルだ/ヴァイオレンスのための顔を持つ/ゆがんだ10代だ/妊娠中絶を生き残った/腰から下の反乱者だーっ!」という出だしで始まり、「イェーッ!」と繰り返した後、「母さん、ありがとよ/父さん、ありがとう/このファッキングな世の中に、苦しみもがいた末の終焉をもたらしてくれて/オレは、唯一の真の神を嫌ったことはない/だけど、人間たちがでっちあげた神は嫌いだ」「オレたちは、使い捨ての10代だ/我々は、ポイ捨てされる10代だ/オレたちは、処分可能な10代だ/我々は、使い捨てだーっ!」と、続く。

 「アンタは、進化が欲しいって言ってたな/類人猿とはよく考えたもんだぜ/アンタは、革命が欲しいって言ってたな、人類よ/オレに言わせりゃ、アンタらクソまみれだぜ」と宗教だけでなく進化論に対してもいちゃもんをつけ、「アンタが、オレたちを怖がれば怖がるほど/オレたちは大きくなる/アンタが、オレたちを恐れれば恐れるほど/オレたちはデカくなる/あぁ、驚くなかれ、驚くなかれ/オレたちがすべてを破壊する時が来ても、驚くなかれ!」と、あらゆる可能性とパワーを秘めた、繊細で壊れやすい10代をナメんじゃねぇと言わんばかりのシャウトが炸裂する。

 ライブで、パリスに捧げる「Disposable Teens」を歌い終わったマリリンは、マイクに付けられていたナイフを手に取り、突然、左腕を切る仕草をした。普通に考えると、自殺を神聖化するような、とんでもない行為である。スクープ写真を掲載した「TMZ」には、「マジでキモイ」「売名行為だろ」と非難するコメントがたくさん寄せられている。しかし、ファンは、彼なりにパリスの回復を祈っているジェスチャーだと受け止めているようだ。

 気味が悪い言動で知られるマリリンだが、ネットでは、時々「マリリン・マンソン、いい人説」が流れる。マリリンは昨年、多くのパパラッチが張り込むロサンゼルス国際空港を、「ファック・ユー」とサインペンで書きなぐったスッピン顔で歩いて話題になった。そこでもセキュリティー・チェックで並んでいる際、周囲の人たちに「この侮辱的な言葉はパパラッチに向けたもので、みなさんに対するものではないですから……」と弁解。とても申し訳なさそうにしており、子どもの前では「ファック・ユー」と書いてある口もとを手でサッと隠すなど、常識ある配慮をしていたと、海外版「2ちゃんねる」こと「reddit」に書き込まれた。そのスレには、「小3の時、両親に連れられてオジー・オズボーンがハリウッドの殿堂入りするのを見に行ったんだけど、その時、マリリンがハイタッチしてくれたんだ。本当にいい人だよね」というレスもついていた。

 また、マリリンは大々的には明かさないものの、チャリティー活動に積極的に参加している。難病と闘う子どもたちの夢を実現させるボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ」と組み活動をしている美談はマスコミにスッパ抜かれたり、02年には「マリリン・マンソンのバックアップシンガーになりたい」という夢を持った難病を抱える16歳のファンをレコーディングスタジオに招き、「グロテスクの黄金時代」という曲のバックボーカルを担当させたことが報道され、話題になった。

 ほかにも、04年に発生したスマトラ島沖地震の津波被害者のために、マスクにサインをしたものをオークションに出品。155ドル(約1万5,500円)すべてを寄付した。06年には、全米中の子どもたちに楽器と音楽レッスンを供給することを目指しているチャリティー団体「Little Kids Rock」オークションのために、ギターを提供。こちらは6,250ドル(約61万円)で競り落とされた。07年にはアフリカへの医療提供のためのオークションに、ベルギーのコンサートで使用したギブソンのギターにサインをし提供。3,000ユーロ(約38万円)で落札されたと伝えられている。

 そして、東日本大震災発生の翌月には、X Japan のYoshikiが立ち上げた「地震や津波で被災した日本のためのプロジェクト」に参加すると表明。「参加する理由は、日本の服が好きだからだ。オレにとってファッションとチャリティーは直結してるんだよ。あぁ、オレは自己チューさ」と人を救うためではないような口ぶりで語りつつも、「Yoshikiはオレのダチだからね。友のために、さ」と日本を心配する表情をチラッと見せた。

 年金がもらえない両親を経済的に援助するなど、おどろおどろしい外見とは対照的に、根はいい人らしいマリリン。過去には、「オレを好きになってくれと言ったことなど一度もない。おまえ自身を好きになれと言ってるんだ。そして何かを変えるんだ!」という発言をしたこともあり、パリスに対しても、もっと自分を大事にして欲しいと願っていることだろう。

 誤解されやすいマリリンではあるが、パリスならきっと、彼のエールを正しく受け止めるに違いない。

最終更新:2013/06/10 16:28
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