トム・クルーズ、戸田奈津子が通訳した徹子のジョークに「……アリガト」
ハリウッドの大スター、トム・クルーズが『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にやってきた。番組の長い歴史の中でもトップクラスの大物なだけに、5月30~31日の2日にわたっての出演となった。
初日は『トップガン』や『ラスト サムライ』などの華麗なる出演作品経歴や、現在50歳とは思えないトムの若さの秘訣などで盛り上がった。そして翌31日の放送で、
「ヤンキースがお好きだって?」
と、野球の話を切り出してきたイチローファンの徹子。マリナーズ時代に試合観戦に行ったことがあるという。
「アタシが『イチロー!』って言ってたらね」
と言うと、
「HAHAHAHA……ミー・トゥ!」
この「ミー・トゥ」っていうのは、なんだ。「オレも『イチロー!』って叫んだことあるよ」ってことなのか。しばらく徹子がイチローの話をしたところで、
「イチローさんとトム・クルーズさんって、似てらっしゃるところがあるような気もしますね」
と言う徹子。少し照れくさそうに、
<あんなふうに球を打ちたい>(通訳は戸田奈津子)
とトムが言うと、
「でもアナタ、映画でヒット出してらっしゃるから」
と、“ヒット”でかけたジョークを飛ばしたのだが、ちょっとキョトンとしている。もしかしたら、いまいち意味が理解できていなかったのかもしれない。その「キョトン」を感じ取ったのか、徹子が「ホームラン」と、「ヒット」から「ホームラン」にグレードアップさせてきた。余計ややこしくなりそうだが、
「……アリガト」
とりあえずトムが日本語でお礼を言ってくれた。トーク中盤になり、
「話違って悪いんですけど、今、靴を拝見したんですけど……」
と、徹子が唐突に切り込んできた。自分の足元を見て「HAHAHA」と大笑いするトム。そんなに笑うような靴を履いているのだろうか。
「ハリウッドのスターの方ってもっとさ、ピカピカの靴を履いていらっしゃると思ってたら、すごく歩きやすそうな靴履いていらっしゃいますよね?」
トムの履いている靴が徹子には意外だったようだ。
「サンキュー。ベリー・コンフォタブル」
徹子は続ける。
「“普段靴”っていうんですかね、こういうのみなさんこう、あんまり履いていらっしゃらないように思うんですが、ハリウッドの方って」
画面が靴のアップになる。黒くてシンプルなスニーカー風の靴だ。そんなに気になるほどの靴かなぁとか思っていると、
「今テレビに映ってるのが、キレイに映ってますね、アタシが拝見しているのよりは」
と、ちょっと余計な情報を足してきた。あまりにも予想外の角度からの攻撃だったからか、
「HAHAHAHAHAHA!」
トム、大爆笑。そして、
「やっぱり歩きやすいのが一番」(徹子)
「イエス。アイ・ライク・コンフォタブル・シューズ」(トム)
「アタシもそうです。だから、一足の靴が大好きだったら、ずーーっといつもそれ履いてます」(徹子)
「……ベリービューティホー!」(トム)
というやり取りが続く。いつの間にか徹子ペースだ。その後、最新主演映画『オブリビオン』の話に。作品について、トムが熱く語ってくれていたのだが、
「アレですね、あの、全然話違うんですけど、今拝見してると……」
また何か切り出そうとしてきた。しかし、
「♪ル~ルル~」
とエンディング曲が流れ始める。時間切れ。
「あーー! もう終わりかかっちゃったんですけど」
と残念そうにしつつも、伝えたいことは伝え切る徹子。
「トム・クルーズさんって、お顔がものすごく小さいのね……つまんないこと言うようですけど」
そしてまた、「HAHAHAHAHA! サンキュー」と超爽やかな表情で徹子に微笑むトム。その超カッコいい顔に、
<次回のお客様は蛭子能収さん>
というテロップが重なる。トム・クルーズと蛭子さん。この瞬間、今年一番の面白画面だったかもしれません。
(太田サトル)