マリリン・マンソンとDMX!? 異色すぎるコラボの迷曲・名曲
「Every Rose Has Its Thorn」録音中、ブレットは自身のニューアルバムに収録する曲をいくつかマイリーに披露。その中の「Nothing To Lose」を気に入り、マイリーはフィーチャリングさせてほしいと頼み、2人のコラボが実現したのだった。なお、その後、ブレットがマイリーの母親と不倫したとウワサされ、マイリーの両親が離婚騒動を起こすなど、なんとも後味の悪いオチがついてしまっている。
■マリリン・マンソンとDMX「The Omen」
ドラッグ、アルコール絡みの犯罪に、窃盗、無謀運転、動物虐待、レイプ、性的虐待で逮捕されるなど、犯罪のデパートのようなハードコア・ラッパーのDMXが、“最もキモいロックミュージシャン”の名をほしいままにするマリリン・マンソンとコラボしたのは、98年のこと。DMXのセカンドアルバム『Flesh Of My Flesh, Blood Of My Blood』に収録された「The Omen」で、マリリンが不気味に、「スネーク、ラット、キャットにドッグ。霧の中を彷徨っているのに、どう生きろというのか」とコーラスする形で参加した。
ジャンルも路線もまったく異なる2人をつなげたのは、敏腕音楽プロデューサーのスウィズ・ビーツ。アリシア・キーズの夫としても知られる彼は、昔から、ヒップホップだけでなく、マリリンらロックアーティストもプロデュースしてきた。「クールじゃないから、ロックも手がけているとは公言しなかったけど」と回想するスウィズは、「マリリンと仕事をした時、DMXとコラボさせたらすげぇヤバくなるに違いないと直感したんだ。曲は『The Omen』がドンピシャだってね」「越えちゃいけない線だと知ってたけど、DMXならロックを受け入れると思ったんだ。オレが読んだ通り、DMXは『ロック・ファンを引き寄せるのも悪くねぇな』と言った。彼のファンは多様性に富んでいて、『オレのコミュニティのヤツだけじゃねぇ、誰もがみんながオレの曲を聞いてんだ』と言っていたしね。マリリンのことも、あっさりと受け入れてたよ」と、コラボが順調にいったことを告白。
また、スウィズは、「曲には、マリリンはマリリンの、DMXはDMXの空間を持てるよう、スペースを設けた。マリリン・マンソンを感じられ、DMXのクレイジーさを感じられるように、ネガティブなスペースも作っておいたんだ」とも明かしている。
■セリーヌ・ディオンとR・ケリー「アイム・ユア・エンジェル」
デビュー以来、クリーンなイメージを持ち続けている歌姫セリーヌ・ディオンと、ロリコンだとウワサされ13歳の少女とのセックステープ流出疑惑がかけられたこともあるダーティーなイメージが付きまとうR・ケリーが、コラボ曲を発表したのは98年のこと。
セリーヌは前年、大御所バーブラ・ストライサンドと「愛を伝えて~Tell Him」でコラボしており、これを聞いたR・ケリーが、すでに出来上がっていた楽曲「アイム・ユア・エンジェル」をセリーヌと歌いたいと切望。ケリーは、レコーディング中、セリーヌに細かい部分まで手取り足取り指示を出し、彼女もこれに素直に応じた。見た目はマッチしない2人だが、美しく透き通るような歌声は見事に混じり合い、最高のラブソング「アイム・ユア・エンジェル」が生まれたのである。
ビルボードホット100初登場ナンバーワンに輝き、その後6週間連続して1位の座を守り続けたこの曲は、デュエット曲の決定版とも呼ばれるようになっており、多くの人を魅了している。