マリリン・マンソンとDMX!? 異色すぎるコラボの迷曲・名曲
日本でもよく行われているミュージシャンたちのコラボレーション。同じジャンルのアーティスト同士でコラボする場合はヒットすることが多いが、異なるジャンルのアーティストが組む場合はリスキーで、コケる確立が高いとされている。しかし、ハードロック・バンドのエアロスミスとヒップホップ・グループのRun-D.M.C.のコラボ版「ウォーク・ディス・ウェイ」など、話題性、クオリティーとも最高な作品が誕生することもあり、あえて冒険してみる価値があると音楽プロデューサーは思うようである。
今回は、世間が驚いた、「異色アーティストのコラボ 」を独断でセレクト!
■ジミー・ペイジとP・ディディ「Come With Me」
ヒップホップ・アーティストたちとコラボしまくり、「人に頼ってばかり」だと手厳しく評価されるP・ディディ(ショーン・コムズ)が、伝説的バンド「レッド・ツェッペリン」のギタリスト、ジミー・ペイジとコラボしたのは1998年のこと。名曲をアレンジするのを得意とするディディが、レッドツェッペリンの「カシミール」(75)を現代風に進化させ、あらためてジミーにギターを奏でさせたのだ。「レッド・ツェッペリンとパブリック・エナミーの融合」と呼ばれるレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリスト、トム・モレロもベースとして参加しており、大作映画『GODZILLA』のテーマ曲になるなど、話題性は満点だった。
しかし、メタルファンも、ミュージシャンも、このコラボを「ひどいもの」だと酷評。PVは、救世主となったディディが、飛び跳ねながらラップしGODZILLAに挑むというもので、時折、高層ビルにジミーがギターを弾く姿が映し出されるのだが、「わずか数秒でも、ジミーがディディを完全に食っている」とまで言われた。
なお、『GODZILLA』も酷評され、最低な映画に贈られるゴールデンラズベリー賞の最低リメイク賞を獲得。「Come With Me」も、ジミーとディディが交わることのない最低リメイク・コラボだと評価は低かった。
■ザ・フレーミング・リップスとケシャ「2012」
幻想的なライブで知られ、オルタナティヴ・ロックの代表格として多くのアーティストに強い影響を与えてきたザ・フレーミング・リップスが、人気ポップ歌手のケシャとコラボすることを発表したのは2012年の春。同年4月末にリリースした限定アナログ・コンピレーション盤『The Flaming Lips and Heady Fwends』に収録した「2012」に、ケシャをフィーチャリングさせると明かしたのだ。
バンドのフロントマンであるウェイン・コインは、ケシャとのレコーディングは同年2月に行ったと述べ、「すごく楽しい子だし、クレイジーだし、いろいろなアイディアに対してオープンだし、とてもクリエイティブな子なんだよ。みんなが知らない顔を、たくさん持っているんだ」とケシャを絶賛。しかし、ファンの反応は微妙なもので、「最初から最後まで奇妙すぎる。ハロウィーンに流れてきそうな曲」だと手厳しく評価されてしまった。しかし、ザ・フレーミング・リップスとケシャの相性は最高だったようで、今年1月にケシャがリリースしたセカンドアルバム『ウォーリア』でも再びコラボ、コラボ・アルバム『リップシャ』も制作中のようだ。
■ポイズンのブレット・マイケルズとマイリー・サイラス「Nothing To Lose」
天下のディズニー・チャンネルに大事に育てられた世界的アイドルのマイリー・サイラスが、80年後半~90年代前半に一世を風靡したグラム・メタル・バンド「ポイズン」の美形ボーカル、ブレット・マイケルズとコラボしたのは10年初め。17歳のアイドルと47歳のロッカーが、「耐えられないんだ。ゆっくり服を脱ぎなよ」という歌詞の「Nothing To Lose」を歌ったため、「世間に悪影響を与えるのでは」と心配する声が上がった。
この2人のコラボは、マイリーの提案のもと実現したとのこと。健康的なイメージだったマイリーは当初、出世ドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』のサントラのようなポップでカントリーチックな歌を元気いっぱい歌っていたが、09年に突然、脱ポップを宣言。ポイズンのブレット・マイケルズに声をかけ、ポイズンの名曲「Every Rose Has Its Thorn」をカバーさせてもらった。マイリーが、生まれて初めて行ったコンサートはポイズンだったそうで、以来、リスペクトしているという。