【セレブに学ぶネットスラング】リアーナ「Flexin」(超自慢!)
【Flexin】
(オリジナル)Flex
(日本語訳)超自慢!
【使用例】
「Flexin(フレクシン)」は、「Flex(フレックス)」の進行形であり、ヒップホップ・アーティストの間では「見せびらかす」「自慢する」という意味で使われることが多い。今回、リアーナは、「ピガールのフード付きスエットシャツだよ。いいでしょ! 超自慢!」という気持ちを表現するために、「Flexin」と使っている。
もともと「Flex」とは、「関節や筋肉を曲げる」という意味であり、エクササイズなどで「flex your muscles」と使ったりする。また、ビジネスでよく使われる「融通を利かす」という意味の「Flexible(フレキシブル)」を縮めて使うときも「フレックス」となり、労働者が就業時間を自由に決める「フレックス制」という言葉もここから来ている。
ヒップホップ・スラングの「Flex」は、「関節や筋肉を曲げる」意味を進化させたもの。筋肉モリモリのゴロツキやギャングたちが、エクササイズマシーンなどで鍛えて筋肉隆々になった腕を、敵対する相手を怖がらせるために、「Flex」しながら見せびらかすことから、「相手を怖がらせたり、威圧するために、見せびらかす」「自慢げにひけらかす」という意味で、「フレックス」を使うようになった。
ギャングスタラッパーのアイス・キューブが1991年にリリースした「Man’s best friend」では、
「I use my nine when suckas start to flex」
「ゲス野郎がフレックス始めたら、オレ様はナイン(9mm pistol=ピストル)を使うんだ」
と、もともとの意味に近いニュアンスで使われているが、1993年に発表した「It Was A Good Day」では、
「Saw the police and they rolled right past me No flexin, didn’t even look in a niggaz direction」
「マッポがオレの横を通り過ぎたときも、黒人に目をつけることなく、威圧すらしなかったぜ」
と、進化した意味で使用。ラップがスタイリッシュなものになるにつれ、「超自慢!」という言葉へと進化した。T.I.の「I’m Flexin’」(2011)やヤング・ジージーの「Flexin」(11)などでは、「オレ様、すげえだろ?」というニュアンスで使われている。
ほかにも、手首に関節を使うためにDJのことを「フレックス」と呼んだり、その場を華麗に立ち去る時に「フレックスする(Imma flex)」と言ったり、「自慢=虚勢を張る」が進化し「ウソをつくこと」としても使われるように。関節を曲げたり、体を動かすという意味で「性行為をする」として使われることもまれにある。