女は手当たり次第、喧嘩はすべて買う――TOKIO・山口達也の実弟・Kouzyインタビュー
TOKIO・山口達也の実弟Kouzyこと山口公次がプロレスラーであるという話は、熱心なTOKIOファンの間では知られた話である。しかしこれまでKouzy本人が自らの半生を語ることはあまりなかった。今回、その注目すべき出自と甘いマスクで観客を魅了する、Kouzyの素顔に迫るインタビューを試みた。
一昨年の2月、Kouzyは、暗黒プロレス組織“666”からプロレスラーとしてデビューした。彼は、歌謡曲からコアなメタルまで対応できる幅広い歌唱力を持つヴォーカリストの顔を持ち、作曲家としても多くの若手のプロデュースを手がけるなど、ミュージシャンとしての長いキャリアを踏んできた。また、幼少期から研鑽を積んだ少林寺拳法三段の実力者という側面も持っている。
そんな経歴があるからだろう、(桁外れのイケメンということもあるが)Kouzyが不慣れなはずのプロレスのマットで観客を惹きつけるオーラには、目を見張るものがある。デビューしたのが音楽のライブとプロレスのコラボイベントだったため、Kouzyのレスラー姿は一度きりのお目見えとなってもおかしくないところであった。しかし、試合後にタッグを組んだ選手から「Kouzy、今日がプロレス最後か?」と聞かれた時にこう答えている。
「終わるわけねぇだろ! 俺、弱いな。次の試合で絶対リベンジして、絶対勝つので応援よろしくお願いします!」
こう表明したのは、Kouzy自らの意思によるものだ。現在では666の所属レスラーとして、月に一度のペースでマットに上る――。
Kouzyは埼玉の草加出身。完成当時、東洋最大規模といわれた草加松原団地で、男3人兄弟の末っ子として育った。次男がTOKIOの山口達也で、会社を経営している長男もまた音楽と格闘技の才能にあふれており、3人揃って格闘・音楽など一芸に秀でた兄弟だった。兄の達也は大のプロレスファンで、隣でプロレス中継を見せられて育ったKouzyもまた、兄ほどではないにせよ、プロレス好きな少年として育った。
「2人の兄のことが大好きでしたけど、長男とは9つ、次男とは7つ年が離れているんで、向こうからしたら俺はオモチャなんです。だから兄弟で本気の喧嘩をしたこともないですね。兄貴と親父が喧嘩して、窓ガラスが4枚ぐらい割れるのなんかは、よく見てましたけど」
3兄弟は、空手をやっていた父と九州出身で気の強い母から、愛情と厳しさをたっぷり受けて育ち、それぞれの道を歩んだ。