Jリーグが伏線? 『サザエさん』新設定、波平もサザエもサッカー経験者だった!
『サザエさん』(フジテレビ系)のカツオといえば、野球。いつもバットを担いでいるし、野球帽も被ってるし。それから、中島が誘いに来る時もいつも、「磯野ー、野球しようぜ」。そんな刷り込みが、ある。
5月19日放送の『サザエさん』の「姉さんの器用な足」という話の冒頭で、カツオや中島らは、空き地でサッカーに興じていた。そうか、カツオもサッカーぐらいやるよなぁと思いながら見ていると、ボールがコロコロ空き地から転げ出る。そこに通りかかったのがサザエ。転がってきたボールを、
「行くわよー!」
とキック。するとサッカーボールはギュルルルルと唸り、カツオの胸を直撃し「ウワッ」と尻もちをつく。この破壊力はなんだ。友達も「あぁ……」と、その破壊力に呆然としている。その姿に、
「だらしないわねぇ、フフッ」
とクールに言い残し、去って行くサザエ。なんだか少年マンガみたいな展開だが、こんなスゴいキック力を持っていたのか、サザエ。
場面は変わって、どこかのおばあちゃんが缶詰めやらトイレットペーパーやらを坂道に落とし、コロコロ転がっていくアクシデントが発生した。すると、坂の途中にいたサザエが「ホッ」「ハッ」「ヨッと」「サッと」と、両手両足をフルに使って、それら商品を華麗にストップしていく。そしてまた、
「どうってことないわ、ウフフフ……」
と、涼やかに去っていくのだ。サブタイトル通りの鮮やかすぎるサザエの足技。ワカメとタラオの前で、カツオのサッカーボールを使って華麗なリフティングを披露したこともあるという。浮上する、「サザエサッカー経験者疑惑」。さらに、
「子どもの頃教えてもらったことがあるって言ってた」
とワカメも証言。少女時代のサザエにサッカーを教えた、『キャプテン翼』(集英社)でいうところのロベルトさん的な人物がいたんだろうか。そんな新キャラ登場もあるのかと思ったが、それは波平だった。場面はサザエの幼稚園時代の回想シーンに変わる。
回想シーンでの波平はフサフサの七三分け。この番組をあまり細かいところで掘り下げていくと面白くなくなってしまうのだが、アニメ版のサザエの年齢は24歳とのことなので、波平が幼いサザエにサッカーを教えていた時代を考えると、大体Jリーグ発足の頃となる。波平とサッカーの組み合わせは、カツオとサッカー以上に不思議だが、そう思うと時代的には合っているのか。しかし、
「小さい頃、遊びでやったぐらいであんなにできるかなぁ」
と、カツオの疑問は続く。
「いいキックしてたもんなぁ」
さらにワカメから追加情報が伝えられる。
「お姉ちゃん、足の力もあるわよ」
洗濯物を両手いっぱいに抱えたサザエが庭に出ようとしたところ、縁側の座布団で眠るタマが邪魔で進めなかった。すると、「しょうがないわねぇ」と、座布団ごとタマを足で持ち上げて移動させたのである。さらに、風で吹き飛ぶ便せんや落下しそうな洗濯物を竿ごと足で支えるなど“足技”を次々披露したサザエ。そして、本人の口から、ついに新事実が伝えられた。
「カツオにサッカー教えたのは、このアタシよ」
もともとはサザエと同じく波平がカツオに教えていたのだが、「父さんには任せられないから」と、サザエが空き地で遊ぶ男の子たちに、
「ねえ、アタシにサッカー教えて!」
と声を掛け、コーチを受けたことがサザエのサッカー上達の真相のよう。
「だから今でも少しは体が覚えてて……」
それだけの経験であんな足技を披露できるわけだから、やっぱり才能があったわけだ。真相を知ったカツオはといえば、サザエに教えてもらった記憶もないし、「だったらもっとうまくなっていいはずなんだけど」と言うが、
「そりゃそうよ。飽きっぽいからすぐ別の物に興味を持って!」
というわけだった。なんだか新設定が色々垣間見えたお話だったが、もう1つ気になったことがある。波平がカツオにサッカーを教える回想シーンだ。サザエの小さい頃のシーンよりも多少ボリュームは減っていたが、まだ波平の髪はフサフサだった。5~6年で一気にいってしまったのか、もしかしてヅラ時代が……??
新たな疑問が生じてしまった。
(太田サトル)