「天下のチョー・ヨンピルがゼロ点!?」10年ぶりの新曲をめぐり大騒動
韓国歌謡界の重鎮チョー・ヨンピルが、実に10年ぶりとなるオリジナルアルバムを4月に発表し、韓国で大いに話題を呼んだ。ヨンピルの新曲「バウンス」はヒットチャートの上位に食い込み、音楽番組のランキングでは、PSYなどとトップ争いを繰り広げている。
そんな中、4月28日に現地で放送された『SBS人気歌謡』で事件が起こった。『人気歌謡』では、音源の点数、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の点数、視聴者による事前投票点数、放送中に行われる視聴者投票の4つの項目を番組独自に集計し、ランキングを決定している。「放送中の視聴者投票」を除いた3つは事前集計となるのだが、チョー・ヨンピルの「バウンス」のSNS点数が、ゼロ点だったのである。
この日の放送で、事前集計で1位候補として挙がっていたのは、K.Willの「Love Blossom」、PSYの「ジェントルマン」そして、チョー・ヨンピルの「バウンス」。チョー・ヨンピル以外の2人は、それぞれSNSで192点、3,500点を獲得していた。これに視聴者やネチズンが疑問を抱かないはずがない。
「『人気歌謡』における“音源の点数”というのは、いわゆるデジタル配信のダウンロード回数を指している。“SNSの点数”は主にYouTubeでの再生回数を指しているが、事務所およびレコード会社の公式配信の映像に限っている。視聴者による事前投票点数は、前週の『人気歌謡』ランキングの60位以内に入った楽曲と、事務所から新曲として申請があった楽曲を対象に、スマートフォンの1回線あたり1週間に1回のみ投票を受け付けている。そして生放送中の視聴者投票は、事前集計となる3つの項目の中から上位3曲を対象にし、電話投票をするというもの。同回線による重複投票は不可となっている」(韓国に詳しいライター)
「天下のチョー・ヨンピルがSNSでゼロ点は、あり得ない」とネチズンたちが大騒ぎしたことを受け、番組プロデューサーは「自分たちもゼロ点という結果を見て驚いた。明確かつ客観的なランキング集計を行うため、スタッフ一同努力をしていくつもりだ。何か問題点があったのならば、改善していきたい」と回答している。今回のゼロ点事件は、4月28日の時点で、ヨンピルが「バウンス」のオフィシャル・ミュージックビデオを公式サイトにアップしていなかったことが理由と考えられるため、『人気歌謡』でポイントがゼロになったのは、どんなにネチズンや視聴者が騒ぎ立てたところで、不正行為が見つかるものではない。
「騒動が大きくなってしまった事の発端は、音楽番組のランキング集計に対する信頼のなさが原因でしょう。現在、地上波3局で放送している音楽番組は、すべてランキング形式を取っている。各局ともに集計の基準は、CDやデジタル配信のセールス、ネットでの再生回数、視聴者投票……と、ほぼ同じで、各項目の点数やランキングは、番組の公式サイトで確認することができる。一見すると透明性のある集計で信頼できそうですが、集計された数字自体が“大人の事情”によるねつ造ではないのかといううわさは根強くある」(K-POPライター)
テレビ局でレギュラー番組を抱えている歌手だから、スポンサー企業の広告に出演しているから、など大人の事情はいろいろ考えられる。番組のプロデューサーがどんなに透明性や客観性、公平さを主張したとしても、視聴者の信頼を勝ち取ることは厳しいだろう。しかし一番哀れなのは、“疑惑の1位”を獲得し、歓喜の涙を流している歌手たちの姿にほかならない。