[女性誌速攻レビュー] 「Ray」6月号

前髪を上げただけで「知的偏差値上昇」と大はしゃぎ! 「Ray」に感じる薄味感の理由

2013/05/03 19:00

 それが端的に表れているのが、「たった5分(はぁと)恋愛成就なヘアアレンジ」。髪の長さやお悩み別ではなく、「好感度抜群の愛され髪アイドル系アレンジ」「年上男子からの支持率アップ!育ちのいい系アレンジ」「大人の色香、見せつけます★ちょいSexyアレンジ」など、人にどういう印象を与えたいか別でアレンジが紹介されています。

 ファッションやメイク、ヘアスタイルは、その人を表す一種の“記号”だともいえます。「自分は人にどう見られたいか」を一生懸命考え、オシャレとして実践することに身を粉にする女性もおり、その参考書として女性ファッション誌があると思うのですが、こと「Ray」に関しては、そういった「オシャレへの努力」をすっ飛ばしているのです。

 5分間、ちょっちょっと前髪をオールバックにしてカチューシャで留めれば「知的偏差値が一気に上昇」するし、片側に髪の毛をまとめれば「ロックな肉食系女子」になれる。「●●っぽい」の表層をすくいながら、お手軽に楽しくオシャレしたい。「Ray」の誌面に感じる、「味つけ忘れてるよ!」感は、そんなところからきているのかもしれません。

■「Ray」唯一のゲロ袋コーナー

 そんな味つけが薄い「Ray」の中にも、“濃い味”ページはあります。それが、読者の声を集めた「ここだけで暴露!みんなのコゴト」コーナーです。たった1/2ページ、しかもモノクロという肩身の狭い企画ですが、「Ray」のゲロ袋的な下世話さで、ほっと一息つける内容になっています。今回は「衝撃的なプレゼント」というテーマで、読者からのエピソードが紹介されています。


「アダルトグッズフルセットを彼からプレゼントされた!(マキ・22才)」
「クラスメイトから『キミを好きな理由』と書かれたお手紙100枚…(まお・19才)」
「つき合って1年記念日に二重のりをもらった(えり・20才)」

 など、まさに“ここだけ”女性週刊誌ノリのページを展開。何がいいって、読者の「何かおかしなことを言ってやろう」という勢いがムンムン伝わってくるところ。どんなに可愛いお洋服を着て、どんなに旬のスイーツを持ち寄って女子会を開いても、結局そこで行われるのは、クソ男へのダメ出し合戦ってことなのでしょう。この「Ray」読者が潜在的に持つ下世話さを、ぜひともファッションページにも生かしてほしいと思いました。
(豊島ユイ)

最終更新:2013/05/03 19:00
『Ray』
でこを出すと生活感ハンパなくなんない?