「生物として異常な繁殖能力が魅力」ビッグダディ握手会に集う人の熱狂
(左)握手会の列に、ビッグダディのそっくりさんの、芸人のモロトゆーきが登場。
人が集まりすぎて警察が出動するほどの騒ぎに…。
(右)モロトゆーき近影。普段はこんなに注目されることもないだろう……。
また、1人で並んでいる女性もちらほら。もしかして、第二の美奈子さんの座を狙ってアプローチを仕掛けに? 神妙な面持ちで並んでいた20代後半のふくよかな女性に話しかけてみると……。
「清志さんって、料理もうまいし、手に職もあるし、面白いし、なにより生物としての繁殖率の高さがスゴイですよね。普通、大家族の子どもたちってヤンキーになりそうなのに、あんなに良い子ばかりなのも清志さんの子育てが間違ってないということですよね!」
前のめりでダディの魅力を語ってくれたのですが、本気すぎて気持ちを受け止めきれませんでした。というか、ダディって料理うまいんでしたっけ?
そんなバラエティに富んだダディファンに混じって、握手会の列に参加。ダディはパーティションの中にいて、列からはまったく見えない状態。しかもダディに接触する直前には、スタッフに手荷物を預けなければいけません。人気者はセキュリティも厳重です。
1時間ほど並んで、さていよいよ対面の時。出版社や書店のスタッフに囲まれてものものしい雰囲気の中、本物のビッグダディが立っていました。生ダディは、テレビで見るよりずいぶんと小さくて(150cm台?)、なぜかキョロキョロしていて挙動不審。スタッフに誘導されるがままにダディの手を握ると、さすが日々人の体を揉んでいるだけあって、柔らかくてモチモチの感触。握手の最中「いやぁ~ありがとうございますね~」などと声をかけてくれつつも、視線は宙を向いていたのが気になりましたが。握手はものの10秒くらいで終了。AKB48並に高速の握手会でした。こんなところにも国民的人気を感じます。
ところで、握手会で手に入れたダディ初の著書『ビッグダディの流儀』(主婦と生活社)は、とにかく文字が大きい本でした。普段活字を読まない人への配慮がうかがえる作りはさすがです。装幀にもこだわりを感じました。ダディの顔写真の頭の部分がバッサリと切られているデザインなのですが、きっとそこには「脳みそを使うな」というダディの「なんとかなるさ」精神が込められているのでしょう。「避妊してまでセックスしたいと思わない」「金持ちの家に生まれるのもそいつの実力だと思う」などオリジナルな持論満載で、最後まで飽きずに15分くらいで読めますよ。
5月1日には離婚した元嫁、美奈子さんも書籍『ハダカの美奈子』(講談社)を出版。隠されていた刺青、殺された元カレ、孤独死でミイラ化していた父親、DV、覚せい剤……など、衝撃的な煽り文句で、Amazonのランキングではビッグダディの本どころか、村上春樹までも抜いています。しかも、「フライデー」(講談社)ではセミヌードのグラビアまで披露。
次は美奈子の手を握ってきます。
自分の人生観に絶対的な自信を持っているダディ、当初は「俺の本のほうが売れる!」と豪語していたそうですが、ふたを開けると、話題性も売り上げも完敗。そういうところすら、ビッグダディという人間の“ダメな感じ”の演出に一役買っています。
本の教えに則って「なんとかなるさ」とか言いながら、行き当たりばったりで生きていくとロクなことにならない――ビッグダディから学んだ教義です。
(北極もう子)