マイリー、リンジー……若きセレブの精神崩壊はなぜ起きるのか
3)失恋
トップスターは普通の人間関係を築き上げることが難しく、そのため恋人に依存してしまうことが多い。依存度が強い場合、破局後、別れを受け入れられず自暴自棄になってしまう。古くは、ジャスティン・ティンバーレイクに振られたブリトニー・スピアーズが一例だ。連日のように報じられているジャスティン・ビーバーの荒れっぷりも、セレーナ・ゴメスに振られたことが引き金となっている。
4)プレッシャー
トップスターに君臨し、ちやほやされながら充実した日々を送るヤングセレブは、「いつまでこの状態が続くのだろうか」と不安に襲われる。完璧でないのに完璧だと崇められること、本当の自分とは違うイメージがついてしまうこともプレッシャーになり、摂食障害、自傷、アルコールやドラッグに逃げることが多い。仕事をすべて中断しリハビリ施設に入ったデミ・ロヴァートは、まさにプレッシャーに押しつぶされたと告白。婚約破棄の危機に面しているとウワサされているマイリー・サイラスも、『ハンナ・モンタナ』の優等生イメージからセクシー路線に変更したもののうまくいかず、それがプレッシャーとなり、合成ハーブ、激痩せなどのダークなイメージがついてしまった。
5)マスコミ/タブロイド
トップスターになると、24時間パパラッチにマークされ、「常に誰かに見られている」日々を強いられるようになる。すべての行動がタブロイドにスッパ抜かれ、あることないこと書き立てられるようになるのだ。周囲からは王族のように扱われるが、中身はまだまだ未熟な若者である彼らは、これらの報道に心を痛め、腹を立て、自暴自棄になってしまう。ジャスティン・ビーバーが、そのよい例だろう。ブリトニー・スピアーズは、自分が表紙に出ているタブロイドをよくチェックしているようだが、マスコミに追いかけられて精神的に壊れてしまったセレブは多い。
誘惑の多いショービジネスで生き延びるためには、周囲のサポートが必要不可欠だといわれる。しかし、多くの取り巻きが彼らを利用することばかり考えており、親も大金を稼いでくる彼らに強く意見できない。よき相談相手となる“信頼できる大人”がいないから、歯止めが利かなくなってしまうのだろう。若きセレブスターたちが、アメリカのショービズ界で健全な精神を保つのは、我々が思っている以上に難しいことなのである。