上から目線の女優妻・小雪から浮かび上がる「幸せな結婚に理想の夫探しは無意味」説
■“女優なのに”エピソードが豊富な小雪
小雪の芸能人としてのスタートは、友人に付き添う形で応募した「non-no」(集英社)の読者モデルに合格したことから始まる。看護学校に進学した小雪だが、学校からモデルを辞めるように暗に迫られ、看護師の道を断念する。モデルとして活躍した後、女優への転向を決心。その後、国内ドラマ、映画はもちろん、パリコレや映画『ラストサムライ』でハリウッド進出も果たした。
そして、2009年に出演した映画『カムイ外伝』で共演した8歳下の松山ケンイチから、熱烈なアプローチを受ける。恋愛対象は年上と決めていたので「あなたみたいなひよっ子で大丈夫なの?」とけん制するが、松山は怯まず結婚を前提の交際を申し込み、同棲を経て結婚。一男一女に恵まれた。第二子を韓国で出産、産後調理院を利用したことや、芸能人であるのに公立の保育園に子どもを預けようとしたことが話題となった。
以上が、ニュースなどで知られている小雪の経歴だが、一体彼女はどんな女性なのだろうか。著書の『生きていく力。』(小学館)からしのばれる人物像は「与えたい人」である。
芸能活動のため、看護師の道はあきらめざるをえなかったが、小雪の看護的精神は女優となった後も健在だ。『カムイ外伝』の撮影時は共演者の体調に気を配り、さらにロケ弁当では栄養が偏るからと、共演者を招いてサンマの塩焼きやゴーヤ・チャンプルーなどを「合宿所のおばさんのように」大量に作って振る舞った。
松山との生活でも、その意識は変わらない。同棲中は料理を習い、忙しくてもなるべく料理を作ったそうだ。料理だけでなく手芸も得意で、レースや可愛いリボンで縫いつけた巾着もお手のものである。料理の先生はそんな小雪を「イメージと違って驚かされるばかり」と驚嘆した。「CMで撮影現場を一瞬にしてぴりっと緊張させる女優が、こんな可愛いものを手作りするとは誰も思わない」と語ったという。
看護師を志したくらいだから、小雪が人より奉仕的な性質であることは間違ないない。しかし、上述したエピソードからは言外に「一般人ではない、女優のこの私がやっている」という自意識を感じずにはいられない。奉仕や善意の絶対条件は、与える側と与えられる側の関係が対等であることだが、女優という特殊な階級の言葉が端々に挟み込まれるのは、「上から目線」の「施し」の意識である。
へりくだっているようで、実は「上から目線」というのは、交友録を見てもよくわかる。小雪は泉ピン子に「こゆ」と呼ばれるほど、気に入られている。若手女優をイビるといううわさの絶えないピン子ゆえ、2人の関係はご高説を垂れるピン子とそれに従う小雪という図式が想像されるが、実際はそうでもないようだ。
某女性誌の対談で、小雪はピン子について「好奇心が旺盛で、どんな話題にもついてきてくださる」とコメントしている。あのピン子に「私について来られるとはなかなかね」という完全な「上から目線」なのだ。このエピソードだけで判断するのなら、2人の関係は本物の友情とは言い難い。しかし、この交友は「ピン子に可愛がられる小雪はすごい」という箔付けになりうる。ここで小雪を褒めるのは、同性との人間関係で悩みがちな女性であることは言うまでもない。