男性アイドル
【ジャニーズ・ワールド】

元ジャニーズがつづる、ジャニー喜多川のすべて『ジャニー喜多川さんを知ってますか』

2013/04/14 16:00
『ジャニー喜多川さんを知ってます
か』(KKベストセラーズ)

 過去に書かれたジャニーズタレントのタレント本・暴露本をガイドブックとして、ジャニーズ事務所の、そしてジャニー喜多川氏の世界――「ジャニーズ・ワールド」を旅してみたい。ジャニーズ・ワールドのガイドブック2冊目は、1967年にフォーリーブスでデビューした、江木俊夫の著書『ジャニー喜多川さんを知ってますか』(97年、KKベストセラーズ刊)。

■ジャニー喜多川のアイドル鑑識の掟

ジャニー喜多川さんを知ってますか

 こう問われたら、もちろん「はい、知ってます」と即答するほかないが、この問いかけがそのままタイトルになった1冊がある。著者は70年代のトップアイドルグループ、フォーリーブスのメンバーの江木俊夫。目次には、<「YOUたちのためだ」の意味するもの><ジャニーさんのカラーに染まるということ><ジャニーズのアイドルは、ジャニーさんのために存在する>という、魅惑のサブタイトルがズラリと並んでいる。

 本書はいわゆる暴露本・告発本とは色が異なり、ジャニーさんに関するスキャンダラスな描写はまったくない。目次からわかるように、ジャニーさんのアイドルへの思いや戦略、ジャニーズとは何たるかが、江木の目線から語られている。

 その江木は、もともと子役として活躍していた。ある日、テレビ局のレッスン場で「彼、間がいいですね。素質ありますよ……」と江木の母に声をかける者がいた。それが、ジャニーさんだった。このスカウトを受けてジャニーズ事務所に入り、「ジャニーズ」のバックとして活動、そして4人組・フォーリーブスとしてデビューした。フォーリーブスのメンバーは、初代のジャニーズJr.でもある。しかし江木は、フォーリーブスでリーダー的ポジションに立つと思っていたのに、リードボーカルに選ばれたのは、最後に加入した青山孝だった。江木はショックを受けるが、この判断は正しかったという。結果としてファンに支持されたからだ。そこには、ジャニーさんのこんな戦略があったそうだ。

キャリアのあるメンバーを脇にして、中心になって歌うリードボーカルを支える、その役目をジャニーさんはわたしに期待したのです

 現在も、「兄組」「弟組」的な構図で分けられているグループがあるが、やはりこのパターンが適用されているのだろうか。ほかにも、ジャニーさんがメンバーを見る上で特に大事にしていることが挙げられている。「真っ白で純粋な少年の心をもっているか」どうか。それを「自身の好みの色で染めたい」らしいのだ。ということは、いわゆる“スペオキ”と言われる面々――最近では中山優馬や佐藤勝利、岩橋玄樹などなどは、特に純白度が高かったということなのか? 「かといって、誰かをひいきするというのではありません」とあるが、最近話題になっているKis-My-Ft2やSexy Zoneの“格差”問題は? 本書で江木が語るジャニーさんの考えに、いろんなジャニーズタレントをあてはめ想像をめぐらせてしまう。

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