角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第40回

経営者が語る、保活必須の人気保育園といつでも入れる託児所との違いはコレだ!

2013/04/20 16:00

 定員いっぱいであっても「1人ぐらい増えてもいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、その子が手の掛からないタイプなら問題はありませんが、こればっかりは預かってみないとわかりません。3歳であっても問題児で保育士1人取られてしまうケースもあり得ます。経営者としてはいつでも最悪のことを考えていて、入園希望者を「問題児」と計算して契約をしていかないと後で大変なことに発展するのです。実際、入園前の面談では問題がなかったのに、預かってみてわかることがたくさんあるのです。その子たちを契約解除させるわけにはいかないので、早く慣れさせて、集団生活できるまでにさせないといけません。こちらはプロなので、全力を尽くすまでです。婿からも「1人どうにかならない?」と頼まれることがありますが、安全と質を保てないと判断したら「今は無理、最短で来年の4月」と断りました。保護者が有名人であっても無理なものは無理なのです。

■お受験する子もしない子も楽しく過ごせる

 シロウトで保育園を作り、短期間で軌道に乗せ、満員御礼というところまでこぎ着けることができたのは、受験対応なので、他保育施設から転園してきたり、受験対応の保育園の中から選んできた子どもが増えたのはもちろんのこと、在園児が引っ越し以外で辞めないことが大きな理由なんですよね。サービスと質が落ちたら、ほかに転園していくことは容易に想像がつきます。駒沢の森こども園の保育料が払えるなら、どこにだって転園できますよ。

 我が園の保育方針は、病気にならないカラダ作り、将来不登校にならない、ニートにならない、会社が倒産したりリストラされても、ピンチをチャンスに変換できる人間を作ることなのです。それを小学校受験に活かせると気づいて、受験指導を始めたのですが、ほかの受験保育園と違い、小手先の受験テクニックではなく、普通にしていれば小学校受験の「行動観察」(子どもを遊ばせるなどしてその行動や態度を採点する試験)で上手に目立ち、加点はされても減点されない実力がついていると思いますね。絵画や体操の指示行動は正直テクニックですので、何度も練習をさせていますが、駒沢の森こども園の保育は、難関校の行動観察に耐えうる力を培っていると思います。公立に進む子どもと、私立国立の進学希望者が、どちらも楽しく過ごせる唯一の保育園なのではないでしょうか?

 保護者から「上の子は認可園から受験させたのですが、保育園で逆差別されイヤな思いをしたので、下の子は最初から認可外保育園にした」というお話をお聞きしました。公立に行く子が多い認可保育園で、お受験組への風当たりが強いのはよくわかる気がしますね。私も保育園を作る前は、セレブ認可外保育園から受験させるつもりでしたから。


角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では5歳の愛娘の子育てに奮闘中。

最終更新:2013/04/20 16:00
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